新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための緊急事態宣言によりテレワークの導入が進んでおり、総務省による調査によると2021年時点で47.5%の企業がテレワークを導入しています。今後導入予定がある企業を含めた割合は、6割近くに達しています。
テレワーク中の文書管理の活用方法や、利点と欠点をご紹介いたします。
テレワークとは?
テレワーク(telework)は、ギリシャ語の「tele(遠方の、遠い)」と英語の「work(仕事)」が合わさった言葉で、遠隔での仕事のことを表現しています。
テレワークと同様の意味でリモートワーク(remotework)というのがあります。明確な定義はありませんが、テレワークもリモートワークもオフィスから離れた場所で働く勤務形態です。自宅で働く在宅勤務もありますが、在宅勤務はリモートワークやテレワークの一種です。ちなみに、アメリカではニュアンスが違います。テレワークは主に自宅で働き、リモートワークは場所を問わず働くということを指しています。
テレワークとリモートワークの形態には、在宅勤務を含め、主に以下の3種類があります。
・在宅勤務
在宅勤務とは、オフィスではなく自宅で働くことを意味する言葉です。会社に雇用されている社員が自宅で働くことを指します。ワークライフバランスを両立しやすくなったり、通勤時間の短縮ができたり、それによる業務の効率化、優秀な人材の確保など、利点があります。自宅で仕事をしていても個人事業主など会社に属していない人は在宅ワークと呼ばれることが多いようです。
・サテライトオフィス勤務(施設利用型テレワーク)
サテライトオフィス勤務とは、主に本社や支社から離れた場所の小規模のオフィスで働くことです。本社のオフィスには出勤せず、サテライトオフィスに出社して仕事をすることを指します。自宅とは違い設備が整っているため、利便性が高く、生産性が向上するという利点があります。自然災害や火災の対策にもなります。重要なデータのバックアップを取っていたとしても、保管していたのが1か所の場合、その場所が被害にあえばデータが消失してしまうことがあります。そこで本社や支社以外にサテライトオフィスを設置することで、データ消失などのリスクを分散でき、予測できない災害時でも事業を止めずに続けていけます。
・モバイルワーク
モバイルワークとは、オフィス以外の自由な場所で、スマートフォンやタブレット、ノートPCなどを用い仕事をする働き方です。外出が多い営業職や経営層などにモバイルワークが向いていると言われています。移動中の新幹線や、出張先のホテルなどで仕事ができ、毎回オフィスに戻る必要がなくなるため、交通費削減にも有効です。ワークライフバランスの向上、コスト削減、業務の効率化、生産性の向上という利点があります。
テレワーク(在宅勤務)企業側の利点・欠点
ICT(情報技術)を活用した柔軟な働き方であるテレワークが、働き方改革の一環として推進されています。そこで、企業側の目線でのテレワークの利点・欠点を説明していきます。
【利点】
・コスト削減
自宅で仕事をするため、企業は、経費の削減やデスクスペースの削減ができます。
・非常時の業務停止対策
新型コロナウイルスなど感染症が流行した場合でも、テレワークの活用によって
自宅での業務が可能であれば、事業を継続でき、利益の損害を最小限にとどめることができます。
【欠点】
・情報漏洩リスク
テレワークを行う場合、インターネットに接続可能で持ち運びができるノートパソコン等の
端末で業務します。そのため、業務している場所でのノートパソコン等の紛失、盗難、
盗聴のリスクがあります。
・業務状況が分かりづらい
自宅での作業なので各自の業務状況が見えづらいため、マネジメントがし難い環境になります。
チャットでの業務報告ルールの検討やWeb会議の取入れなど、業務調整が難しくなります。
企業側のテレワークの利点・欠点を説明しましたが、始める前に従業員の気持ちなどを聞いてみるのもいいかもしれません。
テレワークは業種によって出来る出来ないがありますが、可能な企業はテレワークを活用してみてはいかがでしょうか?
テレワーク(在宅勤務)従業員側の利点・欠点
次は、従業員側の目線での利点・欠点を説明していきます。
【利点】
・心理的・身体的負担の軽減
決められた場所であるオフィスで働くことは、人によっては気持ちよく仕事ができなかったり、
苦手な人との付き合いがあったり、モチベーションが下がったり嫌な思いをするかもしれません。
制服など服装の指定も同様です。ですが、テレワーク(在宅勤務)を導入すれば、自宅での
作業となり、狭いコミュニティで作業することはなく、気持ちよく安心して仕事ができます。
気持ちよく仕事ができると、生産性の向上やモチベーションの向上にもつながるのです。
・ワークライフバランスの向上
通勤時間の削減により、プライベートの時間を確保しやすい環境になります。その人にあったワークライフ
バランスの実現は、会社への信頼感、仕事に対するモチベーションにも繋がります。
【欠点】
・相手の表情が分かりづらい
チャットでのやり取りがほとんどになった場合、文字だけのやり取りなので相手の表情が
わかりません。そのため、どんな気持ちでやり取りに臨んでいるのか、そもそも読んでくれて
いるのかどうか等、不安に感じます。
・不満や不公平な評価
テレワーク(在宅勤務)は必ず全員が行えることではなく、事情により行えない人もいます。
オフィスで働く人からは「サボらず仕事をしているのか?」と偏見を持たれたる可能性があります。
また、そもそもテレワークを良く思ってない人、例えば「出社して当たり前、テレワークは生産性がない」
と決めつけるような人もいます。そういう人たちが上司だった場合には、テレワークで一生懸命仕事を
していても、不当な評価しかしてもらえない事があります。テレワークの人は「サボっていると偏見があり
正しい評価がされない」、「テレワークがしたいのに上司が出社させようとする」など不満を感じる
ケースもあると思います。
従業員側のテレワーク(在宅勤務)の利点・欠点を説明しましたが、テレワーク(在宅勤務)を導入してもしなくても不満がでてくる可能性があります。そこで、まだ行ったことがなければ試験的にテレワーク(在宅勤務)を行ってみてはいかがでしょうか?会社、上司に対する気持ちが変わるかもしれません。
テレワーク(在宅勤務)文書管理の利点
テレワーク(在宅勤務)のみに対しての利点・欠点を説明してきましたが、文書管理も絡めた利点を説明していこうと思います。
【文書管理の利点】
・場所を問わず作業が可能
外出先やテレワーク環境など、場所を問わず文書の閲覧・承認が可能です。出張により
滞っていた承認作業も移動時間に作業することでタイムリーな承認も可能になります。
・ペーパーレス化
これまで紙で行っていた作業がPCで行えることで、書類の押印のために出社したり、
いちいち印刷したりしなくてもよくなります。
テレワーク(在宅勤務)文書管理の利点について説明しました。企業によってはテレワークができないかもしれませんが、これから実施する企業では、ぜひ文書管理の利点を活用していきましょう。
まとめ
テレワーク(在宅勤務)の利点とテレワーク(在宅勤務)と文書管理を絡めた利点について、説明しました。テレワーク(在宅勤務)には利点・欠点がありますが、利点を大きくするために文書管理を上手く活用していきましょう。
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