文書管理システムはここ最近クラウドが選ばれています。数年前はオンプレミス(クライアントサーバー型)がほとんどでしたが、データセンターのセキュリティが向上した事やクラウドに対する認知度が上がったためと考えられています。なぜクラウドが選ばれているのか?解説していきます。
もくじ
文書管理クラウドの特徴
文書管理システムはオンプレミス版とクラウド版に大きく分けられます。数年前までは社内の重要な書類を外部のデータセンターに保管する事に抵抗がありました。現在では、データセンターのセキュリティレベルも向上しましたし、クラウドに対する認識もあがってきました。また、新型コロナの影響もあり、テレワークを導入される企業様も増えてきております。テレワークでは自宅や外部から社内サーバー内のファイルを編集したり、PC内で作成・編集したファイルをメールで送り合ったりする事が多いと思います。社内サーバーを利用する場合には、見せたくないファイルまで公開状態になってしまうので、本来、社内サーバーで共有したいファイルもメール送信になってしまい、社内作業時よりも多くのメールが飛び交う事になります。
また、メールでファイルを送信した場合、その時点で世の中に複数の同じファイルが存在する事になります。そのまま同じファイル名でお互いに改訂を実施していくと、どちらが最新のものなのか、正式なものなのかが分からなくなってしまいます。そして、メールは誤送信のリスクも伴います。どんなに注意しても毎日のようにどこかで誤送信が発生しているのも事実です。このような欠点を補えるのが文書管理クラウドになります。社内サーバーと同じような操作感を保ったまま、アクセス権設定により見せるファイル・見せないファイルの設定やご送信時のリスク回避もできます。
文書管理のクラウド移行時の注意点
ファイル共有のツールとして、社内サーバーを使っていた場合やオンプレミス版の文書管理システムを使っていた場合の方がいらっしゃると思います。クラウド版へ移行する際には注意が必要です。何が異なるのでしょうか。ここでは相違点に関して述べたいと思います。
大きく異なるのは接続先です。社内サーバーもオンプレミス版の文書管理システムも社内のネットワークに接続します。どちらも自社内のハードウェア(サーバー)上に構築されていますので、環境構築の責任は自社が持ちます。ディスク容量が不足してきた場合に、それを判断しディスク増設を行うのも自分達の責任になりますが、自由に環境を増減できるメリットもあります。クラウドの場合には、サービス提供業者に環境構築は依存してしまいます。ディスク容量が不足してきた場合には、サービス提供業者に依頼し増加して貰います。
作業範囲が自社か他社か以外に費用面でも異なってきます。自社サーバーへのディスク増設は追加費用を一度支払えば(イニシャルとして)使う事ができます(別途保守料を支払う事もありますが必須ではないので、ここでは除外します)。クラウドの場合にはイニシャルは不要ですが、月額費用として必ず毎月費用が発生します。自社サーバーの場合には5年ごとのようにサーバー自体の入れ替え費用も考慮する必要がありますので、数年先まで見据えたトータル費用として比較される方が良いでしょう。
文書管理をクラウドで利用するためのポイント①
それでは、文書管理をクラウドで利用するためのポイントを解説していきましょう。まず一番大事なのはセキュリティが高いシステムを選ぶ事です。接続先のデータセンターのセキュリティレベルは今やどこでも高くなっておりますので、一般的に名前が知られているデータセンターであれば殆ど差がないと思います。その上に乗っている文書管理サービスに違いが出てきます。セキュリティとして、アクセス権設定は避けては取れないキーワードです。フォルダ単位やファイル単位で設定できるのか、ユーザ単位やグループ単位で設定できるのか、閲覧しか出来ないとか印刷が出来ないとかなどを柔軟に設定できる事が重要です。アクセス権が柔軟に設定できる事により、より細かくセキュリティ設定が出来る事に繋がっていきます。
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文書管理をクラウドで利用するためのポイント②
2つ目のポイントは使い勝手になります。クラウドと言えばWEBブラウザで動くサービスが多いと思いますが、WEBブラウザ特有の制限からWEBブラウザのサービスは独特の操作感になり、Windows専用のシステムと操作感が異なります。日頃、Windows専用のシステムを多く使っている場合には、慣れた操作感で使えるWindows専用のサービスを選択した方が良いと思います。WEBブラウザに慣れている方にはWEBブラウザベースのサービスを選択した方が良いでしょう。ただ、どちらを選択しても製品ごとに操作感は異なりますので、操作感が自社に向いているのかどうかをトライアルにて一度使ってみてから選択するのが良いでしょう。
まとめ ~クラウドが選ばれている理由~
テレワークを採用する企業が増えてきて、自宅やその他の場所からでも接続できる作業環境が望まれてきております。逆に、まだ社内サーバーのみを利用しているので、テレワークに移行できない企業もあります。どちらもクラウドでファイル共有できるようになれば、快適なテレワーク環境を確保する事ができます。また、先が読みづらい世の中になってきている事もあり、大型の初期投資を避ける傾向にあります。クラウドの場合には、解約をすれば支出も要らなくなります(解約できない期間もあるので各サービスでの確認が必要)。このように自由度が高い事もクラウドのメリットです。
また、データセンターの設備が向上した事もクラウドが広がっている理由の一つです。サーバーを設置する建物の地震対策(耐震、制震、免震など)、電源対策(無停電装置、自家発電装置など)、セキュリティ設備(入退室管理、監視カメラなど)、防火・消化設備、空調設備などが向上してきております。それに伴い、ITに余り詳しくない方でもクラウドに対する安心感が広がってきております。このような理由から文書管理クラウドが選ばれているのです。あなたも文書管理クラウドを検討してみてはいかがでしょうか。