文書管理をしていく中で採番や発番といった管理番号の付け方の手法があります。今回はその採番についてやり方をご説明していきます。採番とは、一般的に「データ管理のために、それぞれのデータに固有の番号を与える」という意味で呼ばれています。または発番とも呼ばれていますが本記事では採番で統一してお話しいたします。文書管理上でも採番していくことは重要な意義があります。採番の必要性、採番の種類、そして採番ルールとやり方を解説していきます。
もくじ
文書管理における採番(発番)の必要性
文書データに採番は必要かどうかについて、一般的には、必要である場合もあるし、必要でない場合もあるという回答になります。
文書管理の採番の必要性は取り扱う文書の量によって分岐するからです。数える程度の文書を取り扱う程度なら採番の必要性は感じられないでしょう。
しかし文書の数が増えていくと、単純に文書名だけでは用途が分かりにくかったり、古い文書を最新版として間違って使用したり、といったケースも出てきます。このような間違ったケースを、採番を用いて文書管理することで防ぐことが出来ます。
採番の方法 その1:通番による採番(付番) 付番とは?
付番とは、発生順に通し番号を付与していく方法のことで、通番または付番と呼ばれています。法令用語や公文書で附番という表記もありますが、一般的には付番が使用されるケースが多いです。よって附番ではなく、付番でご説明させていただきます。
例:000001、000002、000003、000004、000005、・・・
付番はシーケンス番号とも呼ばれ、シンプルな番号の付け方で1 または起点の数値から順に
付与していきます。利点は番号の付与が簡単で採番が行いやすいことがあげられます。
問題点としては、番号を見ただけでは何の文書か判断が出来ない点があります。厳格に文書を一元管理しているのであれば付番式の採番でも問題は生じにくいですが、色々な種類の文書を取り扱う場合は付番による管理はお勧めできません。
この方式が有効なのは扱う文書の種類が限られており、かつ日々作成される文書が少ない場合になります。
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採番の方法 その2:簡単なルールがある採番
付番は通し番号による採番でしたが、採番自体に意味を持たせる方式があります。それが「簡単なルールがある採番」です。
付番と同じく番号を使用しますが、頭にアルファベットや記号等を付与し、系統立てて
採番する方式です。
(例)
A000001、A000002、A000003、A000004、A000005、・・・
B000001、B000002、B000003、B000004、B000005、・・・
C000001、C000002、C000003、C000004、C000005、・・・
先頭のコードには、部署コードだったり、製品コードであったり、文書の分類コード等
を指定することにより区別がつきやすくなります。
単純なルールだけに理解しやすく、維持管理を行いやすい点があります。しかし、拡張性という観点ではいささか中途半端な体系となっています。
この方式が有効なのは文書の種類が少なく、かつ全社的に文書の様式が分かれていない場合です。全体的に扱う文書の種類が少ない場合に有効です。
採番の方法 その3:厳格なルールがある採番
簡単なルールがある採番を発展させた「厳格なルールがある採番」方式があります。具体的には、桁毎に文字や記号、数字を使用し、それぞれのブロックに意味を持たせた採番方式となります。
例: T-BU-QU-20220618-001
T-BU-QU-20220618-002
O-DS-DV-20220619-001
O-DS-MI-20220619-002
H-BU-CT-20220625-001
H-DS-MI-20220625-001
H-DV-DD-20220625-001
H-DV-DD-20220625-002
説明:
1桁目:支店コード T:東京、O:大阪、H:広島・・・
2桁目:区切り文字(-)
3~4桁目:部門コード BU:営業、DS:設計、DV:開発・・・
5桁目:区切り文字(-)
6~7桁目:分類コード QU:見積書、CT:契約書、MI:議事録、DD:設計書・・・
8桁目:区切り文字(-)
9~16桁目:発行日(西暦年月日)
17桁目:区切り文字(-)
18~20桁目:枝番(1からの付番)
上記のルールで採番した場合、番号をみただけで、どの種類の文書、いつ、どこで作成されたのかといった状況を判断することが出来ます。番号自体に意味があるので、検索キーワードとして使用することも出来ます。また番号に日付が入っているため、類似フォーマットの文書がある場合、最新版であることの確認も出来ます。
番号に厳格なルール付けをしているため、手で採番を行っていると間違った採番をしてしまった時に収拾がつかなくなります。気を付けるのは以下の3点です。
・コード体系には安易に数字を用いない
・拡張性を視野に入れたコード体系とする
・連番を使用する場合、十分な桁数を確保する
まとめ
「文書管理の採番の必要性とは?採番ルールと3つの付け方」と題しまして、解説してまいりました。文書管理の採番(発番)は意外に深いルールや手法があることがおわかりいただけたと思います。
複雑な採番を行うにはいかにコード体系を確立するかが重要なってきます。単純に番号を付与するだけではなく、番号自体に意味を持たせることにより、文書の識別が出来る利点があります。単に番号を付けるといったことが目的ではなく、文書を識別するために採番が必要なのです。
弊社が提供している文書管理システム【D-QUICK7】には採番機能をご提供しています。
採番機能
D-QUICK7には、属性情報というドキュメントに紐づく情報を登録出来る機能がございます。
その機能を用いて採番機能を実装しております。今回ご紹介した、通番による採番(付番)、簡単なルールがある採番、厳格なルールがある採番、どの種類の採番でも設定を行うことが出来ます!
また当サイトでは、文書管理システム「D-QUICKシリーズ」についてわかりやすく説明している資料をご用意しております。
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