社内に文書管理システムを導入するためにまずするべきことは何でしょうか?文書管理のパッケージソフトやクラウドサービスを導入すればすぐに使えるようになると思いますか?
文書管理システムの運用を成功させるためには導入前の準備が不可欠です。
これから、使いやすい文書管理システムにするにはどのような準備が必要か、弊社の20年以上の実践経験に基づき解説致します。
もくじ
文書管理を導入するために必要なこと① 課題整理と目標設定
文書管理システムを導入するための事前準備としてまず取り組む必要があることは文書管理システムの選定ではありません。文書管理システムは、色々なメーカーから色々な機能を搭載した製品が販売されていますが、製品の検討を行うより前に実施すべきことがあります。
それは社内の課題の洗出しです。現状どのような課題があり、文書管理システムの導入によりどのような結果が得られれば導入は成功と言えるのかについて事前の整理が必要です。まずは、全社の課題か、部門での課題かも含めて、分類ごとに課題を仕分けして整理をしてください。
全ての課題を100%クリアするシステムはなかなか存在しません、課題に優先順位を付け、それぞれどこまで解決できれば及第点なのかを設定して、システムを評価して選定します。
上記の課題の洗い出しや整理をする際に、タスクフォース(経営陣や各部門の担当者で構成)を設置し、全社体制で検討をすすめることができれば導入プロジェクトはより成功に近づきます。また、タスクフォースは、後述する新システムの導入に伴う文書管理のルールの立案や社内周知についても効力を発揮します。
これまでご説明してきた事前準備の内容をまとめると以下の通りとなります。
①社内課題の整理
- 社内で課題として挙がっている事を分類毎に整理する。
②社内課題の解決目標の設定
- 社内の課題について期待される効果と目標を設定する。
- 文書管理システムの運用開始時点でどこまで解決するか。
文書管理を導入するために必要なこと② 書類とデータの整理
上記の事前準備と並行して、文書管理の対象となる書類とデータの整理にも取り掛かりましょう。
社内の書類の整理をする際に、真っ先に行うべき事は、不要な文書を廃棄することです。個人で念のため保管している文書、原本が存在しているのに念のためコピーを保存している文書、既に会社の定める保存期間を過ぎているのに念のため保管している文書等不要な文書を選択して廃棄しましょう。
不要な文書の廃棄が出来たら次はデータの整理です。
文書管理システムに登録するデータは、文書ファイル(WordやPDFなど)と属性情報(作成年月日、作成者など)の2種類存在します。
属性情報は、登録された文書を検索する時のキーワードになりますので、文書の種類毎に属性を洗い出して必要な属性情報を準備します。属性が入っていない文書が存在すると、検索ができなくなる場合があります。文書の検索ができなければ文書管理システムの存在価値が失われてしまいますので、属性情報は必ず事前に準備し導入時に登録しなければなりません。
また、セキュリティレベル別に文書を分類することも忘れてはいけません、セキュリティレベルによって「極秘」「秘密」「社外秘」等に分類し、保管方法や閲覧範囲を検討しましょう。
それでは資料とデータの整理方法をまとめてみましょう。
①不要文書の廃棄
- 個人で保管している文書、原本が別に存在している文書、廃棄期限を過ぎた文書等、念のため保管している文書。
- 文書を残すつもりで整理するのではなく、廃棄する前提で整理をしてください。
②文書ファイルに紐づける属性情報の洗出し
- 文書種類と属性情報の洗出しをします。
- 文書種類に合わせた属性情報を準備します。
③文書の分類
- セキュリティレベルに合わせた文書の分類をします。
文書管理を導入するために必要なこと③ ルール作成
文書を管理する上で管理方法等のルールが必要になります。
まずは文書のライフサイクルから必要なルールを考えてみましょう。
(作成)→(閲覧・配布・検索)→(保管)→(廃棄)
作成:社内で新しく書類を作成したり、取引先などから書類を入手したりしますが、その保管方法にルールが必要になります。紙書類であればどの保管庫に保管し、どのようなラベルを添付するのかを社内ルールとして決めておきます。
また、電子ファイルであればどのフォルダ内にどのようなファイル名で保管するかを決めておく必要があります。
閲覧・配布・検索:社内ルールが整備され保管場所が明確になれば、比較的簡単に書類を検索して閲覧や配布する事が可能です。
保管:利用頻度によって良く利用する保管庫を区別し、利用頻度の低い書類は別途の保管庫に格納する事で、良く利用する書類をより探しやすくします。
廃棄:利用頻度の低い書類は用途に応じて保管年数を決めておき安全に廃棄します。
また、文書を閲覧するルールを作成する必要があります。文書は「極秘」「秘密」「社外秘」等、重要度や機密度によって分類し、閲覧制限や持ち出し制限を掛ける必要があります。どの人が閲覧できて、どの人が持ち出せるかのルールの設定も重要です。
文書管理システムを導入するタイミングは、これまでの文書管理のルールや運用を見直し、拡充する良い機会ですので、上記のようにライフサイクルに応じたルールや、書類の種類ごとの取扱いルールや閲覧するための権限などのルールの制定や更新を行いましょう。
失敗しない文書管理システムの導入方法 まとめ
文書管理システムの導入を成功させるためには、十分な事前準備が必要です。どんなに優れた文書管理システムを導入しても、事前の準備を怠れば、稼働していても使い物にならないシステムになってしまいます。ただ闇雲に何かしらのシステムを導入しても運用ができません。
事前準備の段階で、文書管理を行う目的を明確にして解決すべき課題を設定します。どのような文書管理システムを導入しても、全ての課題を100%クリアすることはなかなか難しいのですが、何がクリアできたら目標達成なのかを決めておくことで、文書管理の導入効果が明確になります。
また、文書管理を行う前に不要な文書の廃棄が必要です、現在社内に保管している文書全てを管理の対象にすると、導入のハードルは高くなり運用開始までの時間も掛かってしまいます。
最後に、文書管理のルール作りも忘れないでください。新しく作成または入手した文書を何処に保管し、どのようなアクセス権を付与すれば良いのか、事前に決めておくことでスムーズな運用ができます。
文書管理を導入する時は、焦ってシステムを決めるのではなく、事前の準備をしっかり行ってからシステムの選定を行えば、失敗しない文書管理の導入が実現できるはずです。
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