Windows OSで管理されるファイルについている「属性情報」をご存じでしょうか。「プロパティ」というメニューを開くと出てくるアレです。ファイルを作成したりコピーしたりするとユーザーが意識しないところでOS(基本システム)が勝手に付けてくれる属性のことです。「プロパティ」は使い方によっては便利なのですが、皆さんは上手に利用できていますか?本記事では、この「プロパティ」と呼ばれるファイルの属性情報と図面・文書管理システムで管理する「属性情報」の違い、目的と使い方について、さらに掘り下げて比較・考察してみたいと思います。
ファイルの属性情報とは?
ファイルの属性情報とは、OSで管理されているファイルの付属データ(メタデータ)のことです。ITのスキルや経験のない方には、なかなか分かりにくいのがファイルの属性情報ですが、みなさんが日々、パソコンを利用しながら作業しているファイルに付属しております。
OS上のファイルで管理される属性情報
皆さんは普段Windows OS上でファイルを探すとき、フォルダに分類された「ファイル名」を一番利用しているのではないでしょうか。しかし、フォルダ内にファイルがたくさんあって探しにくいときはどうしていますか?
おそらく、「更新日時」や「種類(ファイルの拡張子)」、「サイズ」などの属性情報で並べ替えて目的のファイルを見つけやすくしていると思います。
もしも、Windows OSにファイル名以外の属性情報がなかったらどうしますか?
目的のファイルを探すには大変な時間と労力を要することでしょう。
Windows OSの初期設定ではファイル名以外の属性情報として「更新日時」、「種類」、「サイズ」が出力されるようになっており、それぞれの属性情報で並べ替えができます。以下、「プロパティ」に表示される代表的な属性情報を記載します。
- 作成日時
- 作成者
- 属性(アクセス権)
- 所有者
:
これらの属性情報は、ファイルを右クリックし、表示されたメニュー(コンテキストメニュー)から「プロパティ」をクリックすると見ることができます。
余談になりますが、皆さんは、Windows OSで管理されるその他の属性情報があることをご存じでしょうか。下図のようにエクスプローラーの設定でその他属性情報の表示を追加することができます。
この方法で属性項目をたくさん表示する事ができますが、どれだけの人がこの機能を知って、利用しているのでしょうか。個人的な意見で恐縮ですが、私は有効利用している人を見たことがありません。もったいないですよね。
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アプリケーションで管理される属性情報
Windows OSだけではなくWordや、ExcelなどのOffice文書や、PDFファイルなどのアプリケーションでは独自の属性情報を持っています。
【Word】
- 作成者
- 前回保存者
- ページ数
- 総編集時間
- 改訂番号
:
【PDF】
- タイトル
- 作成者
- サブタイトル
- キーワード
- ページ数
:
これらの属性情報は、アプリケーション内で閲覧することができますが、残念ながらアプリケーションをインストールしていなければWindows OS上で見ることはできないようです。
検索面ではどうでしょうか。Windows OSのエクスプローラーの右上にはルーペマークがあり、ここに検索ワードを入れるとファイル名の一部やファイル内に検索ワードが含まれるファイルの一覧が表示できる機能があります。ただ、インデックスをあらかじめ作成していないと、かなりの検索時間がかかるため表示結果が出るまでに辛抱強く待つ必要があります。
図面・文書管理システムで管理する属性情報
図面・文書管理システムでは、「フォルダ名」、「ファイル名」、「登録者」、「更新日時」、「サイズ」を、基本属性(ファイルのメタデータ)として必ず持っています。さらに、図面・文書管理システムは「版管理」ができるので、「バージョン(改訂番号)」が必須属性として実装されていますし、「登録ユーザー」、「登録日時」や、「改訂ユーザー」、「改訂日時」などもあります。さらにユーザーが任意に属性情報を設定できるようにもなっています。アプリケーションレベル以上の属性項目を管理できるのが特徴です。
検索面ではどうでしょうか。システムで管理する属性項目ではありませんが、エクスプローラーと同様に検索が便利になるようなしくみを備えているため、より高度な検索ができます。
- 属性項目を指定しなくても検索ワードを指定するだけで属性項目を横断的に検索してくれる「フリーキーワード検索」
- ファイル内の文字に検索ワードが入っているか高速で検索してくれる「全文検索」
利用シーンでの属性情報
ファイルで扱う属性情報は、ファイルシステムによって管理されるファイルの付属データ(メタデータ)であり、主にファイルシステムのレベルで扱われ、OSがファイルの整理、検索、アクセス制御を行うために使用されます。一方、図面・文書管理システムで扱う属性情報は、バージョン管理、アクセス制御、ワークフローの管理、文書の分類などの機能をもち、ファイル属性よりもはるかに高度で複雑です。そして、多くの場合、属性情報は業務プロセスに深く関わります。
利用シーンでみると、ファイルの属性情報は主に個人の利用に特化しているのに対し、図面・文書管理システムは組織全体での文書の共有に利用されます。効率的に管理するためのツールとして機能し、より広い範囲のコラボレーションと情報管理を可能にしてくれます。また、セキュリティやリスクマネジメントの観点からも優れており、不正アクセスやデータ漏洩から保護する高度な機能を備えています。
まとめ
「ファイルと図面文書管理システム 属性情報の目的と使い方」と題して、ご紹介してまいりました。ファイルの属性情報は基本的な情報の整理とアクセスを目的にしています。一方、図面・文書管理システムは高度な文書のライフサイクル管理と共有を目的としています。それぞれが異なる利用ケースと要件に対応しており、必要に応じて使い分けることが重要ではないでしょうか。
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