近年デジタル化が進むにしたがって情報資産管理が重要視されています。
IT技術の進化により紙媒体では起こりえなかった方法での情報漏洩が起こるリスクが高まっているためです。
その情報資産の管理に役立つツールが文書管理です。
文書管理とは、どんな分野の企業においても重要な業務の1つです。様々な情報が記載された文書は社内において適切に管理される必要があります。文書管理が適切に行われていれば業務効率もあがります。
しかし、文書管理の重要性や目的を理解していなければ適切に文書管理を行うことは出来ないため、まずはそれを学ぶトレーニングが重要となります。
本ブログでは文書管理の効率化を実現するための研修・トレーニングとはどのようにすればよいのかご紹介します。
文書管理の重要性とは?
文書管理とは何か
文書管理とは、紙媒体の文書や電子データをただ保存しておくというだけではありません。
文書や電子データはその内容によって法律により保管期間が定められています。そのため、決められた場所に正しく整理され保管されていることが必要です。
また、取り出す際に誰でも迷うことなくすぐに取り出せることが求められます。これにより、誤った文書の使用によるミスの軽減や、文書を探す時間の短縮となり業務効率の上昇に繋がります。
情報資産とは
文書管理で管理される文書やデータは情報資産と呼ばれます。
日本のIT国家戦略を技術面・人材面から支えるために設立されたIPA(独立行政法人情報処理推進機構)は、この情報資産を「財務情報、人事情報、顧客情報、戦略情報、技術情報 業務を遂行するために必要な様々な情報」と定義しており、資産となる情報の種類は非常に多くなっています。
もし情報資産が漏洩や改ざんされてしまうと、その企業の運営が危ぶまれる事態に繋がりかねません。
情報資産の重要性
企業が作成する文書には保管期間が法律によって定められています。
対象の文書は100以上もの種類に分けられており、短いものなら1~2年間、長ければ永久に保存しなくてはなりません。企業は作成した文書がどの性質を持つ文書であるかを認識し、正しく保管を行うことが必要です。
また、「ISO9001」の取得にも文書管理は不可欠となります。
「ISO9001」はその規格の中でも「品質マネジメントシステム」と呼ばれ、より良い製品やサービスを持続的に提供するための仕組みが規定されています。品質保証のルールを作成することで製品やサービスの品質を継続的に改善し、顧客満足度を高めることを目的としています。
そのため「ISO9001」を取得すると、品質管理について一定の基準をクリアしている企業であることが認められているとして、企業の信用力が上昇します。
「ISO9001」の評価ポイントの1つに品質管理マニュアルや社内規程の文書管理がしっかりしていることが求められており、「ISO9001」の認証取得に文書管理は必須となります。
以上の理由により文書管理は非常に重要です。企業にとっては、対外的な信用力や顧客満足度に繋がる欠かせない業務の1つなのです。
文書管理の効率化を実現するための研修・トレーニングで行うべきこと
文書管理の重要性についてご紹介しましたが、実際に業務を行う方々に理解し実行してもらわなければ意味がありません。
そのためには対象者への研修やトレーニングが必要となります。研修・トレーニングの方法としては主に社内研修やセミナーの受講があげられますが、誰に対し、どのような内容でトレーニングを行うかが重要なポイントとなります。
対象者
文書管理を行う対象部門の責任者や一般ユーザー、管理職が対象となります
内容
必要な内容は対象者ごとに変更することで、より適切で効率的な文書管理の研修・トレーニングを行うことが出来ます。
- 管理職が対象の場合
・文書管理の重要性とその背景
・文書管理の目的
・国際基準について
・文書の分類方式について
・文書管理の課題
管理職が対象の場合は主に近年の情報資産管理の重要性や業務効率化のための文書管理の方法や問題点についての研修・トレーニングが推奨されます。 - 対象部門の責任者や一般ユーザーの場合
・文書管理の重要性と目的
・具体的な文書の分類方法
・具体的な文書の整理方法
研修・トレーニング対象が実際に文書管理を行う一般ユーザーやその責任者の場合は、具体的にどのような方法で文書を管理するのかについてレクチャーを行う研修に重点を置く事が効果的です。
このように対象者によって研修・トレーニングの内容を分けることで、立場によって学ぶ観点が異なり、より効率的な文書管理の研修・トレーニングを行うことが出来ます。
文書管理の効率化を実現する研修・トレーニングのポイント
研修・トレーニングを行うにあたり押さえておくべきポイントがあります。
文書管理の成功につながる肝心な部分なのでしっかり押さえておくと安心です。
文書管理のルール決めを行う!
文書管理の前提の部分ですが、文書管理のルールは非常に重要となります。
どんな文書をどこにしまうのか、だれが管理するのか、いつまで保管するべきか。など細かなルール決めが文書管理の成功のカギとなります。
ルールを決める際は以下の事に注意しましょう。
- 自分の会社で取り扱う文書の種類を把握すること。
文書の種類を把握し、それに応じた管理方法を決定する必要があります。 - 取り出そうとした際にすぐに取り出すことが出来るようにすること。
文書を取り出す際に迷うことがあっては文書管理が出来ているとは言えません。名称や保管場所などきちんとしたルール作りが欠かせません。 - 誰が利用できるのか権限を決めること
文書によって誰が利用することが可能なのか、あらかじめ権限を付与しておくことで予期しない変更や紛失のリスクを無くすことが出来ます。 - 保存期間を決めておく
文書によって保存期間が異なります。不要な文書をいつまでも残しておいても漏洩のリスクとストレージの容量を増やしてしまいます。しっかりと保存期間を設定しておくことが文書管理を運用する上でポイントとなります。
マニュアルの作成
研修・トレーニングを行う際にはユーザーが閲覧できる分かりやすいマニュアルの存在が欠かせません。分かりにくい部分を無くし、重要な操作については特に詳細に記述する事で事故の発生を防ぐことが出来ます。
また、ルールの変更や情報の更新が発生した場合はすぐにマニュアルにも反映し、最新の状態を保つことが必要です。
定期的な研修・トレーニング
文書管理の研修・トレーニングは定期的に行うことをお勧めします。なぜなら一度のトレーニングではユーザーの入れ替わりや管理方法に変更があった場合に対応できず、皆が同様の管理が行えているか確認することが出来ないためです。
定期的に行うことによって、文書管理の方法がユーザーに浸透しやすくなります。
まとめ
ここまで効率的な文書管理の研修・トレーニングを行うための理由と方法についてご紹介しました。文書管理の成功には、まずは企業内での課題や、解決方法を見極めながら文書管理のルールを作成することが前提ですが、研修・トレーニングによってユーザーに浸透させることで文書管理は意味を持ちます。文書管理を適切に行うため、基盤の作成と継続を心がけましょう。
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