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ペーパーレス化と働き方改革を実現するための文書管理とは?

ペーパーレス化と働き方改革は企業の課題であり、永遠の目標とも言えます。ペーパーレス化のためには、まず文書管理が必要であり、コストの削減と業務の効率化を目指していかなければなりません。ではどのように取り組めば、ペーパーレス化と文書管理を実行でき、働き方改革へつながっていくのでしょうか?ペーパーレス化と働き方改革を実現するための文書管理について解説していきます。

ペーパーレス化とは?なぜできないのだろう・・課題を整理

ペーパーレス化は多くの企業が抱える永遠の課題です。経営者は「ペーパーレス化だ!」と指示し、現場は「そうは言っても現場やお客さんの事情で無理です・・」と、なかなか実現できない究極の目標とも言えます。ペーパーレス化は、社内の紙や書類を電子運用化し、システムやツールを活用しながら業務の効率化を目指すことが目的です。そしてほぼ完全に紙書類がなくなるペーパーレス化を企業では実現したいわけですが、取組みが中断するケースが後を絶ちません。理由は社内には紙で処理が行われている業務がたくさんあり、整理がつかないからです。

【ペーパーレス化のために社内業務で整理された紙書類の例】

  • 取引先との書類・・見積書、契約書、納品書、請求書、販売仕入管理のための社内伝票等提案書、設計書・図面、取引をするための確認書類
  • 社員との書類・・人事書類、勤怠・通勤経費書類、雇用契約書、給与明細書、年末調整書
  • その他の書類・・経理財務・総務・人事・法務書類、会議資料、役員会資料、事業計画書類、営業資料、技術関連資料、申請・承認業務書類

確かに、社内には多くの紙書類が存在します。これらの紙書類の中で、特に多いものとして「取引先とやり取り」に関する書類が挙げられます。契約までに社内から取引先に対し紙での提出(訪問時に提出)や紙の処理(ハンコを押印する)が多いことが背景にあります。取引先との書類のペーパーレス化を実現するには多くの課題が存在する企業は少なくないはずです。

では、取引先との書類をペーパーレス化できない社内の課題とは、どんな理由なのでしょうか?その課題と理由についてまとめてみました。

【取引先との資料をペーパーレス化できない課題】

  • 見積書や提案書、設計書や図面はシステムやアプリケーションで作成するため、電子データ化ができている。しかし取引先には紙で提出し説明するため、どの資料が最終版なのか、担当者にしかわからない。
  • 取引先に提出する資料にはハンコを押す必要があるため、紙に押印する作業が必要になる。電子押印できる社内システムもないため、手作業の押印となる。
  • 見積書や提案書、設計書や図面を作成する営業マンや技術者は外出も多く、外でパソコンやスマホで資料を作成し閲覧する。外出先から社内システムにつなぎにくく、レスポンスを優先したいため、ローカル環境の自身のパソコンにデータを保管している。
  • 営業マンや技術者はたくさんの資料を取引先に提出する。資料の版管理やバージョン管理は自分のパソコンのフォルダで管理しており、再作成時や検索時に探す手間がかかる。
  • 受注時、社内業務処理の添付資料(見積書や注文書等)は、管理部門に紙で提出するルール・規定が定まっている。

このようにペーパーレス化できない原因となる社内の課題はたくさんあります。取引先からの要望、営業マンや技術者の希望、管理部門のルール・規定のため等々、確かに現状をすぐに変えることは困難でしょう。そして、最も難易度の高い社内の課題はこちらです。

「長年の会社の慣習であり、上の人(上司)が紙の押印に慣れているから」

‘上司のための紙文化’が理由でペーパーレス化ができないのは、何とかしたいところです・・・。 しかし、このような課題や現状が存在するとはいえ、ペーパーレス化と文書管理のシステム化に取り組むことは本当にできないのでしょうか?

働き方改革と文書管理の関係性

ペーパーレス化に取り組み、文書管理のシステム化を実現すると多くのメリットがあります。そのひとつのメリットが、働き方改革を実現できることです。では働き方改革と文書管理にはどのような関係性があるのでしょう?

【働き方改革とは?】

働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革です。 日本が直面する「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」等の課題に対応するためには、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが必要です。働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、成長と分配の好循環を構築し、働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。
※厚労省ホームページより引用

働き方改革は2018年6月に成立し、2019年4月から働き方改革関連法の順次施行が始まりました。今ではどんな企業でも働き方改革に取り組んでいます。では企業では具体的にどのような取組みをしているのでしょう?

【働き方改革実現のための具体的な取り組みとは?】

①長時間労働の是正
②女性活躍や子育て・介護の仕事両立
③社内制度の変更やガイドライン作成、公正な待遇やハラスメント防止によるルール整備
④副業・兼業を企業で認める
⑤テレワークやリモートワーク、在宅勤務を取り入れ、働きやすい環境を整備

働き方改革に対し企業は積極的に取り組んでいく必要があります。①から⑤の取組みすべてに言えることですが、働き方改革実現のためにはペーパーレス化と文書管理のシステム化を実行しなければ成功には近づきません。

例えば、働きやすい環境整備のテレワークを取り入れ、社員に業務を実行してもらうためには、紙によるやり取りで社内業務をまわせるはずがありません。テレワークは新たな雇用・働き方の創出のためでもあり、育児対応・定年者活用、介護のための転職防止策、採用強化や人材の定着や活躍のためにもつながります。テレワークは働き方改革のひとつの取組みですが、このようにペーパーレス化と文書管理のシステム化は、働き方改革実現と密接な関係性があるのです。

紙を電子化することがペーパーレス化ではない

これからの企業の取組みとしてDX(デジタルトランスフォーメーション)、つまりデジタル技術を会社で活用することが求められています。ところがクラウドサービスやパッケージソフトを提供する会社は「まず紙の電子化から始めましょう」と主張してきます。ペーパーレス化は電子化をすることから始めることが大事であり、「さよなら紙の資料!これでペーパーレス化ができる!」と主張するのですが、これは間違っています。「紙を電子化し、ペーパーレス化すること」が先ではなく、まず業務を見直しことが先決なのです。業務を見直しながら、システム化やIT導入をしながらペーパーレス化を実現していく進め方が理想的なのです。

例えば、図面をCADシステムで作成・管理している設計部門があるとします。
設計者は図面をCADで作成し、そのままCADデータでチェックして貰えればペーパーレス化が実現できます。
しかし設計業務は「指示書」で作業指示が行われ、「図面」を新規に作成したり設計変更を行ったりします。この「図面」も複数の「部品図」と「組立図」が複雑に絡み合いながら、部品構成情報を表す部品表と合わせてチェックを行う必要があります。
この関連性をPC画面だけではチェックしきれないことから、紙図面に対して検図・承認・サインを行い、最終承認後の紙図面が「原図」である事をISO9001ルールに明記している企業が多いのです。
近年、この業務の流れを改善するために、ISO9001上の「原図」を電子ファイルと定める企業が増えてきています。
チェックは紙で行うのですが、承認行為はPC画面上でCADファイルもしくはPDF化した図面に対して行う方法を用いたり、紙原図をスキャニングした電子化データを真の「原図」と定めたりすることで、電子データが原本となります。その後の業務は電子データを活用したペーパーレス化の業務へ切り替える事ができるのです。
つまり、ペーパーレス化を実現するためには、すべての業務に関するデータや紙書類を電子化したものを原本と定める業務改革が必要であり、その改革により管理の対象となるデータが電子データとなるのです。そしてこの業務の流れを見直した後、文書管理システムを検討していけばスムーズにシステム化に進めます。そうすれば、その先に真のペーパーレス化実現が待っているのではないでしょうか。

まとめ

2022年には電子帳簿保存法が改正されます。どんなポイントが改正されるのか簡単に説明しますと「企業がペーパーレス化しやすくするために規制が緩和される」ということです。すでに領収書は紙ではなく、写真等の電子データで添付ファイルされる時代に入っていますが、管理部門の管理がもっとラクになり、現実的に運用できるようにするために緩和されるのです。例えば、非常に項目の多かった検索項目が、年月日・金額・取引先のみになるなど検索要件が大幅に緩和されます。また現行では3営業日以内のタイムスタンプの付与期間が、記録事項の入力期間である最長2ヶ月以内と概ね7営業日以内に緩和されますので、現場での運用がしやすくなります。このように国を挙げて、企業のペーパーレス化を推進していっているのです。

テレワークでオフィスに出社することも減り、社員も取引先もペーパーレス化と文書管理は待ったなしとも言えます。そんな背景の中で、働き方改革を実現していくことが企業に求められているのです。働き方改革実現のための第一歩は、業務の見直しと文書管理システムの検討を同時に進めていくことではないでしょうか?

業務の見直しはまず「社内の業務」から整理し、社内文書を文書管理規程によりルール化する事が重要です。保管方法と保管期限、期限後の廃棄の流れまでしっかりとルール化することができれば、ペーパーレス化は意外にスムーズに取り組むことが可能です。
しかし「取引先との業務」の整理は営業部門と技術部門で多くのデータと紙の書類が登場し、業務も複雑ですので、短期で効果が上がるものから取り組む方法も1つでしょう。 高い改善効果を求めて難しい部門から業務の見直しを進めていくか、簡単な部門から業務の見直しを進めていくかに決まりはありませんので、みなさんの会社に合った順番で業務改善を進めていきましょう。

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みなさまの会社が「ペーパーレス化」と一緒に、「上司のための紙文化」にも別れを告げられることを祈っています。

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