社内の文書管理に課題はありませんか。同じような文書が複数のフォルダに存在してないですか、文書のライフサイクルを決めて運用されていますか、過去に作成した事がある文書と同じような文書を作成していませんか。今回は社内の文書を管理するうえでの課題と解決方法について解説致します。
文書管理の課題① 大量の不要文書が存在する
社内に存在する紙文書は全てが必要でしょうか。
廃棄しても問題ない文書が必ずあるはずです。保存すべき文書か廃棄すべき文書かを線引きし、不要な文書を整理することで、紙文書も電子ファイルも探しやすくなります。
では、何から始めたらいいでしょうか。まずは下記のように廃棄する文書の目安を作成しましょう。
- 社内の回覧板的な保存する必要のない文書や会議用資料の選択
- 原紙以外に複写した文書の選択
- 過去のカタログやリーフレットの選択
- 社内の情報資料の中で情報が古くなってしまい、必要としなくなった文書の選択
上記の1~4以外にも「いつか使うだろう」と考えて文書を残していても殆どの場合は使うことなく、他の文書に埋もれていく事はないでしょうか。基本的には残さずに処分をする前提で上記のようなルールを設定する必要があります。
また、油断をすると不要な文書はどんどんと溜まっていきます。年末の大掃除の時に纏めて不要な文書を整理するのではなく、普段からルールに則った運用を継続して実施する事も大切です。
文書管理の課題② 一元管理ができていない
一元管理とは様々な種類の文書を一箇所に纏めて、検索や閲覧をしやすいように管理する事をいいます。単純に文書を纏めるだけでなく、あちらこちらに分散した文書を集中して管理を行うことで効率的に利用できるようになります。
一元管理を行うメリットは以下の通りです。
- 作業時間の短縮
ファイルサーバ内の複数のフォルダ内を探すことは、かなりの時間を要します。別々のフォルダ内に目的の文書が存在した場合は、どちらが最新なのか確認する時間も掛かります。決められた分類に沿って決められたフォルダ内を見れば目的の文書が見つけられるのであれば作業時間の短縮が図れます。 - 業務効率の改善
文書を保管管理する上で一番無駄な行為は同じような文書が様々なところに散在することです。過去に作成した文書を探せないため、毎回新しく文書を作ることは時間の浪費です。過去の類似文書を素早く探して流用する事ができれば業務効率も上がります。
また、目的別(部署別、得意先別、年度別・・・など)に保管する事も重要です。紙文書の場合には、目的別に格納するキャビネット等を準備、電子ファイルの場合には、ファイルサーバ上に目的別のフォルダを作成し、保管すれば良いのです。
一元管理を実施する上で大事な事は社内ルールに則る事です。社内ルールに則って文書を作成し、社内ルールに則って文書を保管します。決して、社内ルールから逸脱しないように気を付けましょう。もし、社内ルールから逸脱して勝手に個人パソコン内に保管してしまった場合、他の社員が文書を探せなくなります。
社内の全ての文書を整理し、社内ルールに則る事で、誰もが利用し易い一元管理に繋がり、目的の文書を素早く取り出せるようになるのです。
文書管理の課題③ セキュリティが弱い
社内の文書が社外に漏洩してしまうと文書の内容によっては、企業に大変な影響があります。直接的な影響としては被害者への損害賠償などが考えられます。間接的な影響としては企業の信頼度の低下や、そこからの売上への影響が考えられます。それでは、どのような方法で情報漏洩の対策が出来るでしょうか。
- 社内教育による社員のセキュリティに対する意識の向上
・重要な文書の紛失や置き忘れ等を防ぐための教育を行い、社員の意識を変える。
・常に文書の重要性を認識し、重要性にあった対応を心がける。
・口頭であっても社外では具体的な情報を話さない。
・社員同士でもID/パスワードを貸与しない。 - 社内ルールの構築
・社内の文書を持ち出すときのルール(持ち出した場合は、鞄を身体から離さないように移動する、文書を持ったまま飲食を行わない等)を決める。
・パソコンやUSB、各種メディアの媒体は、持ち帰らず社内のみで運用を行う。
・許可を得た上で社外に持ち出す場合には、セキュリティの掛かる媒体を利用する。
・許可を得た機器以外の持込禁止(私物のパソコンやUSB等の機器を持ち込んで利用することは、ウィルス感染などのリスクがあるため)。
・許可を得た上で社内に持ち込む場合は、社内ネットワークに接続しない。
このように、教育の実施や社内ルールの構築により、セキュリティを強化しなければいけません。
まとめ
文書管理を行う上で「大量の不要文書」「文書の一元化」「文書のセキュリティ」の課題を説明致しました。不要な文書を廃棄し、使いやすいように文書を一元管理し、文書の情報漏洩リスクを軽減するために、社員教育を徹底し、社外への持ち出すルールを設定しても情報漏洩は発生する可能性があります。
紙文書の場合は鍵付きのロッカーや閲覧記録を付けて管理を行う事で、ある程度は防げるでしょう。電子ファイルの場合はファイルサーバに保管する際にWindowsのセキュリティ機能を使って閲覧の制限を掛けて文書を保護する事で、ある程度は防げるでしょう。しかし、新規に文書を個人パソコンで作成した場合、作成途中の文書は個人パソコンに残っています。また、メールに文書を添付した時に間違えて作成途中の文書を添付して送付してしまう可能性もあります。もちろん宛先を間違えて送付してしまう可能性もあります。
また、電子ファイルを修正する時にファイル名に日付や番号を付与して保存する事がありますが、別のフォルダにも保存している可能性や別のパソコンやサーバにも保存している可能性を考えると、最新版かどうか判断ができません。このように、電子ファイルをファイルサーバに保管する場合は情報漏洩のリスクや版管理についても考えなければいけません。
簡単に文書管理を行いたいのであれば、文書管理システムの導入でしょう。
閲覧する権限があれば閲覧ができる、印刷する権限があれば印刷ができる等、文書に対する権限の管理ができます。システムで全ての文書を一元管理することで必要な文書の検索が可能になります。
また、保存期間を設定することで不要な文書を正しく廃棄する事もできます。不要な文書が減ればサーバのディスク容量も無制限に増えることがありません。
誰が何時、何をどうしたのか、というログ情報も取れますので、万が一情報漏洩が発生しても原因追跡が可能になります。
このように、文書管理の課題解決には文書管理システムの導入が効果的です。システムの導入を検討してみては如何でしょうか。
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