設計図や手順書など、企業が日々扱うファイルは多岐にわたり、これらは製造業や建設業といった様々な業界において重要な役割を担っています。しかし、これらのファイルの管理方法に課題を抱えている企業は少なくありません。特に、紙やExcelに頼った従来の管理方法では、ファイルの紛失や劣化、必要な情報を探すことの困難さ、そして人的ミスといった様々な問題が生じる可能性があります。
このような状況から脱却し、より効率的かつ安全にファイルを管理するために、クラウドを活用したデータベース型のファイル管理システムでの管理が注目されています。本記事では、クラウドを活用したデータベース型のファイル管理でのメリットとシステム選定のポイント、そして具体的なソリューションについてご紹介します。
もくじ
ファイル管理の現状と課題
多くの企業では、現在でも紙やExcelを使用してファイルを管理している企業が多いのではないしょうか。例えば、出図した紙の図面をファイリングして管理していたり、図面管理台帳をExcelで作成し、一覧表にして管理していたりと管理方法は会社によって様々です。
このような管理方法では、以下のような課題が発生します。
• 紛失・劣化のリスク
紙ベースの資料は、紛失や時間とともに劣化したりするリスクがあります。
• 検索の困難さ
目的の図面や資料を素早く見つけることが難しく、探すことに時間が費やされます。データで管理していても、目的のファイルを探すのに時間がかかることがあります。
• 共有・連携の非効率性
メールでのファイル共有では、最新版がどれか分かりにくく、情報共有が正確に行われないことがあります。
• ユーザーミスによる削除
データで管理している場合でも、ユーザーのミスによりファイルを削除してしまうことがあります。
リモートワークの普及により、これまで紙で図面管理していた企業もデータで管理するケースが増えていますが、データでの図面管理をうまく業務として使用できていない企業もあります。
データベース型のファイル管理システムを活用するメリット
これらの課題を解決し、ファイルを効率的に「保存して共有」するという共通の目的を達成するために、データベース型のファイル管理システムでの管理が有効です。システムを導入すると、以下のメリットが期待できます。
• 業務効率化
検索機能
ファイル管理システムは様々な条件で素早く検索できる機能を持っています。部分一致やあいまい検索にも対応している場合があり、必要なファイルを迅速に見つけることができます。
バージョン管理機能
ファイルの改訂履歴を管理し、どのバージョンが最新版であるかを簡単に確認できるため、古いファイルを使うことによるミスを防ぎ、履歴管理の負担を軽減できます。
通知機能
ファイルの登録や更新があった際に、関係者にメールで通知する機能を持つシステムもあり、情報共有を迅速に行うことができます。
自動化機能
ファイル作成作業の自動化や、他のシステムとの連携により、人為的ミスを削減し、作業時間を短縮できます。
• セキュリティ設定機能
アクセス権限を細かく設定することで、機密性の高いファイルに対して閲覧制限やダウンロード禁止といった設定も可能です。
• テレワーク対応
クラウドのファイル管理システムであれば、インターネット環境があればどこからでも簡単にアクセスできます。アクセスログや使用頻度を取得できるシステムは、テレワーク中の作業量の確認にも活用できます。
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D-QUICK導入事例集
ファイル管理システムに求められる主要機能
以下の機能はファイル管理システムを選ぶ上で重視したいポイントです。図面・文書管理システムであり、ファイル管理システムでもある「D-QUICK7 」をベースにソリューション例をご説明していきます。
• 検索機能
ファイル名やファイル内に記載されている文字、キーワードで検索できる機能です。部署ごとに異なる種類のファイルが存在する場合でも目的のファイルを見つけやすくします。
D-QUICK7には、文書名や文書内のキーワードで検索できる機能があります。属性情報をルール化して管理することにより、自分の登録したファイルだけでなく他の社員が登録したファイルも手早く探すことができます。版を指定した検索も可能です。
• バージョン・履歴管理機能
ファイルの改訂履歴を記録し、「いつ」「誰が」更新したのか、過去の文書はどれかを管理できます。業務上過去のファイルが必要になった場合でも、その情報を確認することが可能です。D-QUICK7でもファイルの更新時に「いつ」「誰が」「過去の文書はどれか」を記録でき、自動的に版を増減できるため、新旧の図面管理の課題を発見できます。
• 共有機能
ファイルを他のユーザーと簡単に共有できる機能です。メールでの通知のほか、チャットツールやURLでの共有も可能です。D-QUICK7では、ファイルの登録や更新があった際に、関係者にメールで通知する機能があり、迅速な情報共有が可能です。
• アクセス権限機能
ファイルごとにアクセス権限を設定し、閲覧、更新、登録、ダウンロードといった操作を細かく制限することにより、情報漏洩のリスクを低減します。データ暗号化やアクセスログ機能も含まれます。
D-QUICK7では、文書ごとに閲覧のみ許可する権限や、更新は許可するが新規登録は禁止する権限、ダウンロードを禁止する権限など、細かく権限設定が可能で、登録されている文書データが暗号化されて登録されるため、システム的なセキュリティも確保されています。
クラウドのファイル管理システム導入の注意点と選び方
ファイル管理システムの導入はメリットがありますが、導入にあたり、いくつかの注意点があります。
• 機能に不足はないか
必要な機能が揃っているか、インターフェースが使いやすいか、将来的な機能追加に対応できる拡張性があるかの確認が必要です。
• コストに見合っているか
導入費用だけでなく、複数年間のランニングコストも考慮した予算計画が必要です。
• セキュリティに問題はないか
セキュリティ対策がしっかりしているか、データのバックアップ体制が整っているかを確認しましょう。
• 運用に向けての準備はできているか
導入後スムーズに運用するために、社員への教育・研修は不可欠です。システム運用ルールを定め、運用マニュアルを作成して全社員が共有できるようにしましょう。
システム選びで最も重要視してほしいのは「使いやすさ」です。どんなに機能が豊富でも、使いにくいシステムは結局利用されなくなってしまう傾向があります。デモ版やトライアル版を試用して、自社にとって使いやすいかを事前に確認することをおすすめします。

まとめ
ファイル管理システムは、紙やExcelによる管理の課題を解決し、業務効率化、セキュリティ向上、そしてテレワーク対応を実現する強力なツールです。データベース型のファイル管理システムの活用により、大量のファイルを一元的に、かつ安全に管理し、「保存して共有」という本来の目的を効率的に達成することが可能になります。
効率的なファイル管理を実現するソリューションの一つとして、ファイル管理システム「D-QUICKシリーズ」のようなクラウド対応のシステムであれば、テレワーク環境でもアクセスしやすく、安全にファイル管理を行うために、検索、履歴管理、通知、権限設定などの多くの機能を提供しています。
もし現在、ファイル管理に課題を感じているようでしたら、ぜひ「D-QUICKシリーズ」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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