コロナ禍によるテレワークの加速や電子帳簿保存法の改正などワークスタイル変革により書類の電子化や個人情報の保護など文書管理の重要性が求められています。
文書の保護や保存方法をしっかりと理解している文書情報管理士とはどのような資格なのか解説します。
文書情報管理士とは
ワークスタイル変革の為、書類の電子化や個人情報の保護など文書管理の重要性が求められています。
文書情報管理士は、書類の最適な電子保存方法を理解し、文書の大切さを伝えられる人に与えられる資格です。
公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認定する資格試験で2001年から実施され、現在累計で14,000人以上の有資格者がおります。
主にオフィスで取り扱う文書や帳票・伝票類、また図面などの技術資料を企業としてしっかりと保管・運用・活用できるノウハウを有しています。
紙資料のスキャナ保存や、大量の書類を効率よく安全に長期保管するための活用技術を知っているだけでなく、関連する法律・規格の知識を有しているか検定する目的もあります。
文書情報管理士の検定試験を受験するために必要な知識は、文書の作成から保管、廃棄までのドキュメントライフサイクルや、企業の部署ごとに作成される書類の種類・役割、文書保管に関わるさまざまな法律、メールなどで取り扱われる文書の仕組みや取り扱い方法などがあります。
文書情報管理士 資格の有効性
JIIMAは「e-文書法」を政府に働きかけ発令させた功績や、2015年度税制改正の大綱として税務関係書類のスキャナ保存要件を大きく規制緩和させた実績があります。
これまで紙による保存が義務化されていた状況から、多くの書類の電子化(書類をスキャニングして作成したデータ)データでの保存が認められることを国も推進しています。
しかし、書類を電子化し安全に保管するには、一定の基準が必要です。
文書情報管理士は、書類の最適な電子保存の方法を理解し、文書の大切さを伝えるエキスパートを認定する資格です。
文書情報管理士の資格を有している人は以下の知識を有しています。
・安全に書類を保管するノウハウ
・会社の存続に関わる文書管理のノウハウ
・個人情報の漏洩防止に関わるノウハウ
・法的な文書管理要件や規格に関するノウハウ
ネット世界により、私たちが知らないうちに犯罪の加害者になってしまいかねない世の中で、企業や個人の安全を守るためのルールとして文書管理が重要になってきています。
文書情報のための書類の電子化やマイクロフィルム化は、民間企業のみならず官公庁・自治体にとっても重要な仕事です。
内閣府や財務省、国土交通省、厚生労働省や国税庁などの中央省庁や独立行政法人、都道府県庁、市区町村役場など電子化業務の入札参加資格要件として「文書情報管理士」資格を求められるケースが増えてきています。
文書情報管理士の種類
文書情報管理士には、2級、1級、上級の3段階の資格があります。
2級文書情報管理士は、電子化文書を取り扱う上での基礎知識や技術を備えた者とされています。誰でも受験可能で、基本的な内容を中心に出題されます。
1級文書情報管理士は、2級の資格を有している事が前提で、より高度な知識が求められます。その分野における高度かつ専門的な知識を持つ者とされています。
上級文書情報管理士は、1級資格を取得している事が前提で、合格者には高いステータスが与えられます。当該文書情報の関連する広範なあらゆる分野を視野において常に最適な文書情報管理のあり方を構築できる能力を持った、トータルソリューションプロデューサとして認定される人材です。2級、1級の能力に加え、あらゆる面から最適な文書情報管理システムを構築する上で必要とされる最新の知識・技術・標準・法律・規制・セキュリティ・環境問題・コスト意識など広範な観点から課題分析が行え、本質的なニーズを捉えた全体最適なソリューションを構築・提案できる資質が要求されます。
各有資格者は具体的に以下の能力を有しています。
【2級文書情報管理士】
・電子化文書関連、マイクロ写真関連の基礎知識及び実技能力
・文書情報マネジメントに関わるハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク 関連の基礎知識
・文書情報マネジメントに関する日本特有の法令、標準規格の基礎知識
【1級文書情報管理士】
・電子化文書関連、マイクロ写真関連の基礎知識及び実技能力
・文書情報マネジメントに関わるハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク 関連の基礎知識
・文書情報マネジメントに関する日本特有の法令、標準規格の基礎知識
・専門知識の実技応用能力
・文書情報マネジメントの作業に従事する作業者に対する指導力
【上級文書情報管理士】
・電子化文書関連、マイクロ写真関連の基礎知識及び実技能力
・文書情報マネジメントに関わるハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク 関連の基礎知識
・文書情報マネジメントに関する日本特有の法令、標準規格の基礎知識
・専門知識の実技応用能力
・文書情報マネジメントの作業に従事する作業者に対する指導力
・課題分析能力(顧客の問題点や課題の本質を明確化できる)
・システム構築能力
・保存性、原本性など文書情報管理の専門的知識および提案能力
・高い費用対効果を発揮できるコスト意識
なお、文書情報管理士は5年ごとの更新が義務化されています。
文書情報管理士の資格を取るには?
文書情報管理士の検定試験は、夏と冬の年2回開催されます。
40日間の試験期間中に、全国数百か所で、自分のスケジュールに合わせた日時での受験が可能です。
試験終了後はその場で即スコアレポートが発行されます。このレポートには合否の他に、正答率、出題区分ごとの正答率も記載されています。
合格者は全ての試験期間終了から約1か月後に認定証書が発行されます。
まとめ
私も文書情報管理士の資格を持っております。
主要取り扱い製品が「図面・文書管理システム」ということもあり、さまざまなお客さまから文書に関する一般的なお困りごとや、旬の話題である電子帳簿保存法の改正に関するご相談をよく頂きます。
法的な知識も有しておりますが、何よりお客さまの生の声をお聞きし日々対応しているノウハウが、他のお客さまも望んでいる情報であることを感じています。
何か文書管理に関する疑問点やお困りごとがありましたらお気軽にご相談頂けましたら幸いです。
当サイトでは、「D-QUICKシリーズ」についてわかりやすく説明している資料をご用意しております。安心・安全に図面・文書管理を行うためのポイントが理解できる資料になっています。ぜひ、ダウンロードページより資料をご覧ください。
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