企業で使う文書は元々紙で管理することが一般的でした。しかし、今日では文書を電子化し、文書管理システムを導入することで管理コストを軽減している企業が増えております。しかし、中小企業では自社にあったシステムが分からないため、ITツールの導入に抵抗を示したり、導入を見送ったりしている企業も多いのではないでしょうか。そこで、中小企業向けの文書管理システムの選定ポイントやメリットとデメリットを解説していきます。自社に導入する時の参考にしてください。
文書管理システム選定のポイント
中小企業では、システムに慣れていない従業員が多く、「導入したのに誰にも使ってもらえない」という事態を招くケースがあります。このような事態を防ぐために文書管理システムを選ぶポイントをご紹介します。
- 操作性
- 中小企業がシステム導入に掛けられる時間やコストは、大きな企業に比べると少ないのが実情です。そのため、多くの機能があるシステムを導入すると、利用者の教育やシステムに慣れることに時間が掛かってしまいます。つまり、システムに慣れていない利用者でも不自由なく使えるシステムを選定するべきです。
- 機能を追求するよりも、必要最低限のシステムを有している製品を選択し、社員全員が利用できることが重要です。
- 情報共有
- 文書の更新頻度は種類によって異なります。そのため、「いつ」「誰が」「どの文書」を更新したのかをリアルタイムに把握できるシステムが必要です。例えば、文書が登録された時、改訂(更新)された時、削除された時のケースで考えてみましょう。関係者に通知する機能がなければ、文書の登録・改訂・削除に気が付かない利用者が発生します。そこで、メール等によって利用者に文書の登録、改定、削除を通知する機能が重要になります。
- リアルタイムに利用者に更新状況が伝わる機能を持ったシステムを選定すべきです。
- ワークフロー機能
- 文書管理システム導入時に、社内で元々行っていたワークフロー手順と異なってしまうと、利用者が混乱してしまいます。また、新たなシステムの操作方法に慣れるまでに時間が掛かってしまうと業務効率が下がってしまい、何のためにシステムを導入したか分からなくなってしまいます。
- 既存の運用と同じ流れで行えるシステムを選択することが重要になります。
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中小企業でのメリット
文書管理システムを導入した場合のメリットについて紹介します。
- 検索性
紙の文書であればバインダーに綴じ、インデックスを付けて書庫に保管して管理を行います。必要な文書を探す時は、バインダー内の書類に付与されたインデックスだけが頼りです。インデックスが付いていなければ、1枚ずつめくりながら探し出す必要があります。
しかし、文書管理システムではキーワード検索や全文検索などの機能があり、必要な情報を入力するだけで文書の検索が可能になります。このように文書管理システムを利用すると、検索性が格段に向上します。
- 安全性
文書が紙の状態で保管されていると、簡単にコピーして持ち出すことができ、重要な機密情報が漏洩する可能性があります。また、重要書類を誤って廃棄したりする可能性もあります。文書管理システムなら、重要書類に対して権限を付与して簡単に閲覧やダウンロードができない状態にできます。このように文書管理システムを利用するとセキュリティ面での向上が見込めます。
中小企業でのデメリット
文書管理システムを導入する場合のデメリットについて紹介します。
- 既存文書の電子化
- 紙で保管されている文書をスキャンして、ファイル名やキーワードを付ける作業が必須です。この作業にはかなりの労力と時間がかかってしまいます。電子化の作業に時間を掛けてしまうと、システム導入までに時間が掛かってしまい、中小企業の普段の業務を圧迫しかねません。
- また、電子化作業を社外に依頼すると多くの費用が発生します。そこで、電子化を行う前に文書管理システムで管理する文書の取捨選択を行い、電子化する文書を減らすことも重要です。
- 利用者への浸透
- 新しいシステムを導入し、操作に慣れるのには時間が掛かります。特に中小企業では複雑な操作を求められると、システムを使いこなせない従業員が多く発生し、業務の効率化が実現しない可能性があります。
- 従業員の一部の人がシステムを使いこなせないと、システムの教育に時間がかかり、運用開始が遅れてしまいます。例えば、ファイルサーバーの運用時と同じような操作性を持った文書管理システムであれば、システム教育にかかる時間は短縮されるのではないでしょうか。
まとめ
「中小企業向けの文書管理システムとは?メリットもあるけどデメリットもあるよ」と題して、ご紹介してまいりました。中小企業向けに導入のポイントやメリット・デメリットを整理しましたが、文書管理システムの選定のポイントは以下の3点にまとめられるのではないでしょうか。
- 簡単な操作で使えるシステム
こちらのポイントは最も重要です。システムが多機能であればITリテラシーの低い利用者が利用できなくなり、業務効率が下がってしまいます。 - 簡単に情報共有ができるシステム
ファイルサーバーに保存するような操作で文書管理が実現できれば、誰にでも利用することが可能です。また、文書の登録・改訂・削除が行われた時に関係者に対して通知されるようなシステムであれば業務効率は向上します。 - 現状の運用と違和感なく使えるシステム
既存の運用と同じような運用であれば、利用者は文書管理システムをスムーズに受け入れることができると思います。文書管理システムにワークフローシステムが付与されている場合は、紙で申請するような手順でワークフローを回せるシステムが有効です。
このように、中小企業で文書管理システムを導入するポイントにまとめて説明いたしました。 自社で文書管理システムを導入する時に、ぜひ参考にしてください。
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