利用中のファイルサーバの共有フォルダ、PCのフォルダ・・・すぐファイルが保管できて非常に便利です。しかし、多用し続けると「目的のフォルダが見つからない」等の検索に関する問題が発生し、みなさんも困ったことはないでしょうか? そこで本記事ではフォルダ検索を紐解き、問題点とその解決策について考察いたします。
フォルダ検索してもヒットしない! こんなことはありませんか?
皆さんが普段からよく利用している社内サーバの共有フォルダ、PCのフォルダは、いつでも誰でもすぐ利用ができるファイル保管庫です。また、フォルダ階層を作れば数多くのファイルを仕分けし、分類することもできます。
さらに、ファイル数や容量が増えてくれば、ストレージ容量を拡張すればいくらでも保管することができます。フォルダでの管理は非常に便利な手法ですので、誰もが利用していると思います。
ただ、フォルダでの管理を普段していて、こんな経験をされたことはありませんか?
・昔に作成したファイルが、あるはずのフォルダの中から見つからない。
・以前、作った資料のファイル名を思い出せない、どこに保管したか忘れた。
・OSの検索機能で探したいファイルを探しても見つからない。
・検索がとにかく遅い! 時間が掛かりすぎて使えない。
・ファイルが見つからないので、もう一度、イチから(または似たファイルを流用して)作成した。
・苦労してやっとファイルは見つかったが、内容が古くて使えなく、探した時間は結局ムダになった。
直近で作成したファイルであれば保管場所の記憶もあり、すぐに見つかる場合が多いですが、半年〜数年過ぎたファイルを探すのは大変です。探すのに一苦労した方も多いのではないでしょうか?
現在のファイル保管の実情
なぜ、探したいファイルが見つからない状況が発生するのでしょうか? 企業のファイルサーバの利用状況について、サーバメーカーから以下の調査結果が公表されていますので、みなさんに共有したいと思います。
ファイルサーバの利用状況
・ファイルサーバのファイル数の年間増加率=1.55倍→5年でファイル数は9倍に増加
・共有フォルダで、90日以上未参照のファイル=68%
・共有フォルダで、1年以上更新がないファイル=76%
・共有フォルダで、重複しているファイル=28%→重複を無くせば14%容量削減可能
以上のことから、共有フォルダにファイルを保管していても、実際に利用するファイル数は多くないことがわかります。
またPCのフォルダの場合、以下の要素を複数利用しているケースがあります。
・複数の保管先:My Document、デスクトップ、別ドライブ(Dドライブetc)
・クラウドストレージ:OneDrive、Googleドライブ、iCloudドライブ、Boxなど
・クラウドアプリ:Googleスプレッドシート、Evernote、Notionなど
複数の保管先を多用することで、必要な情報をどこに保管したのか記憶が曖昧となり、様々な場所を探し回るケースも多いのではないでしょうか?
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今後、発生する問題点と対応策
ペーパーレス運用において、電子ファイルの活用は必須要件です。電子ファイルの活用は、過去の資産を有効活用できるだけでなく、簡単にファイルや文書の一部をコピー(複製)して活用できることが最大のメリットです。
また簡単にコピーして流用できるため、ファイル数の増加量はますます加速していきます。データは倍々ゲームのように増えていき、現在では大量に作成されたデータをいかに活用するか?が、多くの企業で問題になっています。つまり、対応策としてビッグデータの活用方法が注目されているのです。
そして、ビッグデータの活用で今、まさに注目されているのは「AI」です。AIはみなさまが想像している以上の速度で進化し続け、最近では皆さまがご利用されるデバイスにもAIが標準装備されてきています。
Apple Intelligence、Google Gemini、Copilot等がスマホやPC、タブレットなどに標準装備されてきていますので、近い将来、ファイルが探せないという問題は解決されるのかもしれません。しかし、数か月・数年後にどこまで実現できているのかは全く未知数ですので、待ってもいられません。
実は、この問題の発生する根本の原因として以下の背景があると考えています。
ファイルサーバはすぐ導入できるけど・・
Windowsサーバを導入後、サーバ上のフォルダを共有設定するだけで利用できるのが共有フォルダの最大のメリットです。それほど知識がなくても構築でき、ローコストなのも魅力です。
しかし、間違った考え方でファイルサーバを運用してしまうと、後々取り返しがつかなくなることをみなさまはご存じでしょうか?
ファイルサーバに対する間違った考え方
・システムが勝手にやってくれる。使えればいいじゃないか。
・とりあえず環境だけ作って運用できればいい。あとはIT部が考えれば。自分には関係ない。
・自分たちはITスキルが低いので難しいことはわからない。後で調べる。(でもやらない)
・新しい取組みなのに現行の業務ルール通りに運用すればいい。(今までの業務を変えない)
・元々、属人化してルールも決めてないのに、今のままでよい!と責任を他人になすりつけて逃げる。
自由度が高いのはいいのですが、将来について何も考えず利用開始してしまい、どんどんファイルが蓄積され困ってくるケースは少なくありません。ファイルが増えてきた時点で運用ルールを見直しても、それまで保管されたファイルは整理されず、せっかく蓄積した過去のデータが活用できなくなります。
ファイルサーバは簡単に構築ができるものの、最初にしっかりと保管ルールを確立することが重要なのです。
解決策にはシステムが有効
過去のデータが活用できなく、業務効率が上がらない場合、図面・文書管理システムを検討されるのも解決策のひとつです。OSの検索機能は、大量に保管されたフォルダでは、時間が掛かりすぎます。またフォルダ名とファイル名で探す場合は、過去の仕分けルールが決まってない状態では探せないケースが多く発生してしまいます。
システムを利用すれば、フォルダ名やファイル名で検索する場合も、高速に検索ができます。さらに、ファイルのプロパティ情報を使った属性検索機能や、文書内の文字を使った全文検索機能を利用でき、検索の幅が大きく広がります。
システム導入を決めた場合でも、単にファイルを格納するだけでは共有フォルダと同じことが発生します。システムを業務にどのように活用していくか、運用ルールの標準化が必要です。
また、これまで曖昧にしてきたルールを変えずに、単にシステム運用へ移行しただけでは効果が半減します。業務の流れを整理し、文書の保管ルールをしっかりと整備し、誰でも同じように利用できることでシステム導入の費用対効果が出てくるのです。

まとめ
「フォルダ検索したい!なぜ目的のフォルダが見つからないの?」と題して、ご紹介してまいりました。サーバの共有フォルダやPCのフォルダによるフォルダ管理は、すぐに使える反面、運用ルールが曖昧になりがちです。その結果、どんどんファイルが増えていき、目的のファイルが見つからなくなるのです。
システム導入をきっかけに、文書管理ルールをしっかり規定して、誰でも同じルールで運用することで共有する威力が倍増します。
さらに、近年ではAI機能を搭載したシステムも増えてきています。AI機能を活用することで、今まで探せなかったファイルを見つけることが可能になります。どのようなシステムを導入したら良いか、費用対効果は出るのかなど、お悩みの際は是非弊社へご相談ください。
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