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文書管理規定のポイントとは?保存期間も解説

文書や図面をファイルサーバや文書管理システムで社内共有するとき、運用ルールの規定が曖昧だと業務のムダや製造ミスが発生します。この問題は、文書管理のルールを規定で定めて運用する事で改善することが可能です。文書管理の電子化が広まってきた今、規定の必要性、規定を決めるときのポイントとメリットについて解説いたします。

文書管理は管理する対象文書によって運用の規定が変わる

組織における各種業務には文書が不可欠です。

業務を円滑にするため、文書の作成→利用→保管・保存→廃棄のライフサイクル全体を通して文書を確実かつ効率的に管理することが重要です。

共通に管理・保管されていないと情報の活用は困難となり、迅速にアクセスできないだけでなく、存在そのものが知られていないこともあり対応が遅れるなど、重要な情報資産が有効に活用されていないケースが世の中で数多く見られます。

文書や図面を活用するためには、運用ルールを明確に規定・周知する必要があります。

例えば、思いつきで名前付けしたフォルダ階層で保管すると、作成当時〜数ヶ月は保管場所を覚えていますが、半年・・・1年を経過してくると保管場所がわからなくなることはよくあることです。

結果、同じような資料を再度作成したり、ローカルに保存している古い資料から作業をやり直したり、などムダな作業を行った経験がある方も多いと思います。また、その時に関わっていなかった方は、フォルダ名で見つからなかったら流用することを諦め、一から作成する時間のムダが発生します。

文書管理はルールを規定で定め、誰でも規定通り運用すれば、過去情報を活用できるだけでなく、これまでのノウハウまで有効に活用できます。

文書規定を検討する上で考慮しないといけない点は、管理対象の資料特性により規定で考慮すべき内容が異なる点です。

次に、対象文書別に規定で考慮すべきポイントを紹介します。

【文書のライフサイクル】

1)一般文書
作成直後〜数ヶ月間の利用頻度は高いですが、1年も経過すると利用頻度は下がってきます。また再利用の頻度は資料によりますが、一度完成した資料を更新する頻度が低い資料が多いです。長い保存期間は求められません。

2)契約資料
利用頻度は一般文書と似た特性だが、契約更新タイミングで再度利用頻度が上がります。また、契約資料は法的に保存期間が定められているものが多く問題が発生した際に参照できるよう保管しておく必要があります。

3)技術文書
技術文書は、図面、部品表、解析資料、品質に関わる資料など多岐にわたります。その中でも継続して利用し続けられる資料として「図面」がああります。
図面は対象製品の形状・特性が記載されたもので、改良・改善の度に改訂されます。

文書管理規定のポイント① 一般的な文書で必要な規定

一般文書の運用では、部署毎に「資料」の業務フローを明確化して、誰が内容を確認し承認したか、命名規則ルール、保存期間を規定としてルール化することが重要です。

各企業で取得が増えてきているISO9001やISO14000などと同じく規定を作成しPDCAによる見直しの運用が必要です。

また一般文書を管理する上で、個々の文書情報に対してプロパティ(属性)情報を持たせる必要があります。

プロパティ情報は、作成時に付与し、その後の処理、保管・保存、廃棄の各フェーズで適時情報が追加されていきます。(保管期間と保存期間の言い方があります)

主なプロパティ情報は以下の通り
01)文書分類
02)文書番号
03)文書タイトル
04)文書保管ロケーション
05)文書キャビネット名
06)文書フォルダ名
07)作成者(作成部門)
08)作成日
09)保管期間
10)保管期間満了日
11)保管期間満了時の措置
12)管理担当部門
13)備考

プロパティ情報をいつ付与するか、確認は誰が行うか等の運用フローは規定で明確化しておく必要があります。サンプル等があれば円滑に規定づくりができるでしょう。

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文書管理規定のポイント② 図面の管理で必要な規定

図面は、世の中の様々なシーンで利用されています。

製造業では製品作りに利用するされ、官公庁では台帳(都市計画図、上下水道、道路、土地管理など)、公園の遊具やトイレ、鉄道、道路の信号機も全て図面が存在し、作られてから現在の状況まで全て図面が存在します。

また、製造業では図面を利用する部門も数十部門あり、日々発生する改造・改善の度に最新情報を常に関係部署と共有しておかないと、製造ミスなど大問題に発展しかねない情報が記載されています。

図面は、一般文書と同じくプロパティ情報を付与して管理する必要があります。図面の場合、一般文書に加えて以下の追加項目があります。

01)部品番号(図面番号)
02)部品名称(図面名称)
03)改訂版数
04)改訂内容(何を変更したか、またその理由)
05)照査者、照査日(複数の場合あり)
06)最終承認者
07)部品特性(大きさ、重量、材質など)

文書管理規定のポイント③ 文書管理の保管ルール

規定では、プロパティ情報の入力を定着させることも重要ですが、以下のように保管時のルールも明確に定めておく事で情報の活用頻度があがります。

・入力文字のルール化:英数記号カナで使用する文字(半角・全角)
・文書番号の採番ルール
・ファイル名の命名規則
・保管するフォルダ階層の命名規則

まとめ 文書管理の規程を決めたときの運用メリット

文書管理は規定を定め、しっかり運用する事で以下のメリットがあります。

1)コンプライアンス
法令遵守に限らず幅の広い規制遵守や内部の情報セキュリティ方針を遵守することが可能となります。
ドキュメントの所在とセキュリティを保証することにより内部統制で求められる高信頼性の監査要件に対応が可能です。

2)コラボーレーション
業務処理で情報を必要とする組織内の全てのビジネスユーザ協業モデルを提供できる。分散するオフィス環境でも高い組織連携と生産性を維持することが可能となります。

3)顧客サービス
顧客の要求に対してリアルタイムに応えることができる環境を構築することで顧客満足度を高めると同時に、顧客との良好な関係維持のためのハイレベルな顧客サービスが実現できます。

4)費用対効果
資料作成〜保存〜配布のコスト削減が可能です。
処理時間の短縮や情報の即時検索、業務プロセスの効率化を実現できます。

5)維持性
BCPなど24時間365日の企業活動を維持するために重要不可欠な情報資産をデジタル化して管理することで、迅速なディザスタリカバリの実現など企業活動の維持に役立ちます。

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