テレワークや在宅勤務などの働き方の変化により、企業の業務のやり方も少しずつ変わってきました。今まで進んでいなかった社内文書の電子化に着手し、紙での回覧やFAXで送っていた文書を電子ファイルにしてメールで送付するといったことが当たり前になってきています。
また文書管理という観点から見てみると、やり取りを行った記録や社内で増加した電子データを管理する為にエクセルによる管理台帳で文書管理を行っている企業も少なくありません。社内の大量のデータを管理する為にはエクセルよりも適したシステムが存在します。今回はエクセルで文書管理を行った際の課題とシステム化するメリットをご紹介します。
エクセル(Excel)による文書管理はどうしている?
エクセルで文書管理をする方法としてよく使われるのは、管理台帳を作成し更新する方法です。台帳の項目としては以下が挙げられます。
・業務分類・・・・・・・・どの業務に分類されるか(営業、品質など)
・文書名・・・・・・・・・どんなことが書かれた文書か(検査記録、提案書など)
・作成部署・・・・・・・・部署名
・作成者・・・・・・・・・作成した人
・更新者・・・・・・・・・更新、改訂した人
・作成日・・・・・・・・・作成、登録した日付
・更新日・・・・・・・・・更新、改訂した日付
・文書番号(管理番号)・・・検索できるように番号で整理
・保存期間・・・・・・・・文書の保存期間
・廃棄日・・・・・・・・・文書を廃棄、削除した日付
・備考欄・・・・・・・・・注意事項等
業務によっては専用の項目があったりしますが、大きくはこれらの項目を部署毎や業務毎にエクセルを表のようにしてテンプレート台帳を作成し、都度更新することで管理を行っています。台帳の数やリンク、文書数が少なければエクセルによる台帳管理でも問題ないでしょう。
エクセルによる文書管理の課題 テンプレート台帳やリンクの限界
では、テンプレート台帳の数やリンク、文書数が多い場合はどうなるでしょうか。エクセルはもともと表計算に優れたソフトウェアです。日々増え続ける文書をエクセルで管理し続けていくと、担当者の更新漏れやメンテナンスが大変になり業務効率が落ちてしまうことも少なくありません。
〇変更履歴の管理
管理対象の文書を変更した際、ファイルサーバー上のエクセル台帳へ手動で日付を入力して更新する場合があります。この場合、変更履歴が増えていく度に項目や行、列が追加されていき担当者のメンテナンスが大変になっていきます。記入漏れや記入忘れがあると台帳の情報と実際の文書が合わなくなり管理が破綻してしまいます。また、実際の文書を誤って上書き保存してしまう事も発生し、最新版、旧版の管理も大変です。
〇文書の検索に時間がかかる
エクセルによる台帳管理の場合、文書が保存されている場所を台帳内の項目の中に記載している場合があります。またハイパーリンク機能を使って所定の場所へジャンプさせたりする場合もあるでしょう。これは非常に便利な機能ですが、よくリンク切れを起こしていませんか。関係者がファイル名を変更したり、保存場所を変更したりするとリンクは解除されてしまいます。文書数が少ないうちは保存場所の更新やリンク再設定を行う事ができますが、文書数が増えてくるにつれ、忘れてしまったり更新が面倒になってしまったり、そのままになってしまうケースはよくあります。せっかく文書の保存先をエクセルに記載しているのに、スムーズに探し出す事が出来なくなるのです。
〇アクセスコントロール
エクセルによる管理台帳の場合は編集権限があれば誰でも台帳を更新できてしまいます。誤入力をしてしまった場合や消してしまった場合は修復が大変です。また管理対象の文書についても同じです。ファイルサーバー管理の場合はある程度のアクセス権を設定することができますが、都度変更しないといけないなどサーバー管理者の負担が大きいので、業務担当者を決めて実施されているところがほとんどです。アクセス制御がしっかりできていないと印刷やコピー、編集、削除など台帳のみならず文書自体の漏えいなどセキュリティ面でも課題が残ります。
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エクセル管理から文書管理をシステム化することによるメリット
文書管理をシステム化するには、文書管理システムを導入することが有効です。文書管理システムには文書を適切に管理するために様々な機能を実装しています。
〇版管理機能(バージョン管理)
文書管理システムに登録された文書に、バージョン情報を持たせることができます。利用者が文書を更新すると自動的に新しいバージョン情報が設定されます。バージョン毎に更新者、更新日付、バージョン情報をセットで持っているため、台帳の更新漏れや誤っての上書き操作などを心配する必要はありません。
〇属性検索、全文検索機能
文書管理システムには、登録文書と合わせて属性情報をセットで管理できます。さらに今まで管理台帳に記載していた分類や情報を検索項目として利用することもできます。そのため、利用者毎に必要な項目で絞り込んだ検索が可能となります。さらに文書の中の文字を検索できる機能も搭載している為、検索にかかる時間を大幅に短縮することも可能です。
〇アクセスコントロール
アクセスコントロールについても文書管理システムは効果を発揮します。ユーザーやグループ毎に、登録、閲覧、編集、印刷といった権限を与えることができ、さらにはフォルダやファイル単位でもアクセス権の設定が可能です。ファイルの持ち出しやコピーなどセキュリティ対策にも貢献します。
この他にも、文書管理システム内で申請業務が行える「ワークフロー機能」や文書の保存期間や廃棄期限を管理する「有効期限機能」など、エクセル台帳で管理していた項目と実際の文書データをシステム内に包括して管理できます。
まとめ
今回はエクセルによる文書管理の課題とシステム化へのメリットについてお伝えしてきました。社内での管理文書が多くなり、エクセルによる台帳管理に限界を感じてきたら文書管理システムを検討してみてはいかがでしょうか。
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