文書管理システムの価格はどのくらいが適正なのでしょう。ちまたの文書管理システムの価格をみてみるとピンキリでどれを選ぶかとても悩ましいですよね。導入するための予算の上限もあったりしてそれに見合ったシステムを選びたいと思うのが心情です。本記事では文書管理の価格を決める要素として「文書管理にかかる費用にどのようなものがあるか」を中心に整理し、まとめてみました。自社にとってどのくらいの価格のシステムを選んだらよいかイメージできれば幸いです。
文書管理システムにかかる費用の分類
文書管理システムを導入するにあたりどのような費用がかかるのかを考えてみましょう。大きく分けて以下の2つに分類できます。
- 「導入」にかかる費用
- 「運用」にかかる費用
最近は導入形態の違いにより、費用のパターンが分かれます。
- 自社にインフラ導入して設置する場合(オンプレミス利用)の費用
- インフラ部分をクラウド上に導入する場合(プライベートクラウド利用)の費用
- サービスを利用する場合(パブリッククラウド利用)の費用
導入するための費用と導入形態の違いが理解できたところで、導入費用にはどのように分類されるのか見ていきましょう。
文書管理システムの導入費用 5つの分類
導入にかかる費用については、大きく以下に分類できます。
- インフラ導入・設置費用
- システム構築・設定費用
- データ移行費用
- 導入にかかる人件費
- カスタマイズ費用
このように5つに分類される導入費用について、詳しくご説明していきます。
【インフラ導入・設置費用】
インフラ導入・設置費用とは、ハードウェア、ミドルウェアを購入し、サーバールーム等に据え付ける費用を指します。ハードウェアについては、サーバーや周辺機器の役割、性能、設置スペースによって価格が異なります。つまり、システムを利用する人数、管理するデータの量、利用頻度、利用期間によって適切な機種、台数、性能を決めてください。そうすることで費用を見積もることができるようになります。
【システム構築・設定費用】
次に、システム構築・設定費用ですが、どんなデータをどのように登録して取り扱うかを決めることによってかかる費用が異なります。こちらは、システムのアーキテクチャに依存する要素が大きいので購入するシステム会社(SIer)に見積もってもらうのが一般的です。
【データ移行費用】
データ移行費用は、現在管理しているデータを新たに導入する文書管理システムに移設し、利用するケースに必要になります。こちらもシステムのアーキテクチャに依存する要素があります。主にデータの種類、データ量にもよりますが、移行前後の登録するデータ体系の違いによっても費用が大きく変わります。よって購入するシステム会社(SIer)に見積もってもらうのが無難でしょう。
【導入にかかる人件費】
導入するためにかかる人件費も侮ってはいけません。システム会社(SIer)側だけで導入が完了することはまずなく、自社でも少なからず人工がかかります。導入プロジェクトチームを組んだりする場合も含めてシステムを導入するまでの検討時間と人数、そして期間をしっかりと考えておきましょう。一般的に導入するシステムが現行の運用のままではいかないケースがほとんどです。運用の方法を変更するための規約・ルールの策定や指導などのリソースも必要になりますので計画費用に織り込んでください。
【カスタマイズ費用】
もし、運用のルールを変更しないでシステムを導入しようとする場合、往々にしてシステムのカスタマイズが発生します。カスタマイズのコストを抑えるためにはできるだけ標準機能を使った運用に心がけ、カスタマイズしようとした部分は運用をどう実現するかのアイデアを出し合う事で補う方が良いでしょう。その際、導入しようとするシステムのアーキテクチャをできるだけ理解しておくことが肝要と思います。
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文書管理システムの導入形態の違いによる費用
ではここからは、プライベートクラウド利用とパブリッククラウド利用の導入形態の違いによる費用をご説明してまいります。
【プライベートクラウド利用】
自社にハードウェアを導入して設置する場合は、前述したようなすべての費用が掛かりますが、インフラ部分をクラウド上に導入することによって、初期費用がランニング費用に転換されます。ランニング費用に転換されるので損益分岐点をちゃんと見据えておく必要があります。
インフラを自社で導入する場合は、リース期間と保守費用を定める必要があります。ランニングの場合はその期限がきっちり決まっていないので、システムの利用期間の想定が重要になります。自社にインフラを構築する場合とクラウドに構築する場合をグラフ化すると、ある時期に損益分岐点が見えてきます。どちらが自社にとって効率的かを検討してみてください。
最近のハードウェアは堅牢ですので重要事項ではないかもしれませんが、自社にインフラを構築する場合は故障や災害のリスクも考慮してバックアップなどを万全にしておくことも必要です。
【パブリッククラウド利用】
本サービスを利用するケースでは、故障や災害のリスクがサービス提供者側になるので心配はいりません。しかし契約期間のデータ量や利用者・アクセス数などを考慮しなければ、サービスが割高になってしまうことが想定されます。またほとんどの場合、カスタマイズが不可となりますので注意が必要です。カスタマイズをしないということは運用を変えなければならないということです。
また、パブリッククラウドを止めることを導入時には考えるケースは少ないかもしれませんが、注意して欲しいポイントがあります。それはクラウド上のデータに対し、サービスを解約するときにどうやって取り出すのか、というポイントです。ぜひパブリッククラウド検討時には、考えに入れておいてください。
文書管理システムの運用費用も忘れないように
文書管理の運用費用はついつい忘れてしまいがちです。運用費用は長くに渡り必要になりますので注意しましょう。運用にかかる費用については以下のものが考えられます。
- サーバー等、ハードウェアの設置場所にかかわる費用
- 電気料金(ハードウェアの消費電力、エアコン等の消費電力)
- サーバー管理にかかる人件費
- データ登録作業やメンテナンス作業にかかる人件費
- 故障やトラブル発生時にかかる費用
- サービス提供費用
オンプレミス利用では、サーバーが自社に設置されているため、サービス提供費用を除き上記すべてがかかってきます。これに対しプライベートクラウドやパブリッククラウドでは設置場所にかかる費用、電気料金およびサーバー管理にかかる人件費がサービス提供費用に組み込まれた形で提供されます。その他について頻度は多くないですが少なからずかかってしまう費用として考えておくべきです。
まとめ
ここまで、「文書管理システムの価格・費用を考えてみよう 様々な分類をしてみた」と題して、ご紹介してまいりました。いかがだったでしょうか。文書管理システムそのものの価格だけではなく、導入、運用の費用もあるので、ぜひ「トータルの価格」をみるようにしていただければと思います。
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