文書管理は文書を作成した時点での分類分け、社内や社外に向けての配布、編集を行った際の文書の保管、文書の破棄などたくさんの作業があり、複雑です。文書管理のルールを守った運用を行うことにより、文書が正しく管理されます。
文書管理を行う前にどのようなルール設定を行えばよいのか、また、ルール設定を行うにあたっての改訂・改善ルールの注意点も解説していきます。
もくじ
文書管理の方法① 文書管理のルールを決める
文書管理を行うにあたり、必要なことはルールを設定することです。
ルールを設定している場合、何を指標として文書管理を行えばよいのかが明確になるからです。 次章から文書管理を行う場合に必要であるルールの例を記載します。
文書管理の方法② 文書媒体の適用ルール
文書管理を行うにあたり、紙媒体のみなのか、または電子媒体も含まれるのかということにより、その後のルール設定に大きな違いが出てきます。
そのため、文書媒体によって適用ルールをしっかり定義しておいてください。
文書管理の方法③ 文書作成・編集・改訂ルール
文書の作成・編集・改訂を行うにあたり、文書をコピーする際のルール、コピーした文書の取扱ルール、作成された文書のファイル名・保管場所・保管期限、改訂のルールなど文書そのものに対するルールを決めます。
どのようなルールを設定するかはその職場環境ごとに異なってくると考えられますが、①の文書媒体の適用ルールで言ったとおり、紙媒体と電子媒体で設定するルールが変わってきます 。
保管を例にすると紙媒体であれば文書は鍵付きの戸棚に管理する などのルールになると考えられますが、電子媒体であればアクセス権をつけたフォルダに管理する など、紙媒体と電子媒体では大きくルールが異なってきます。
例:
コピーのルール
紙媒体 :その紙媒体がコピーしても良い文書かどうか
電子媒体:コピーの権限があるかどうか。権限の振り分けをどうするか
保管場所のルール
紙媒体 :どこの戸棚に保管するか。鍵付きの戸棚にするか
電子媒体:どのフォルダ体系で保管するか
保管期限
紙媒体 :どれくらいの期間で廃棄するか
電子媒体:文書に有効期限をつけるかどうか。またどのくらいの期間をつけるか
上記はルールの一例となりますが、各ルールについて、媒体ごとに各々ルールを設定する必要があります。
文書管理の方法④ 文書の廃棄ルール
文書を廃棄するにあたり、廃棄手順・方法に対するルールを決めます。
廃棄する方法についても紙媒体であれば、シュレッダーでの裁断や溶解処理等があります。
電子媒体の場合は、文書を削除できる権限のユーザや削除するルールなどを決める必要があります。
例:
廃棄のルール
紙媒体 :シュレッダー廃棄または溶解処理
電子媒体:どのユーザに削除の権限を持たせるか、文書自体が削除可能か、削除する場合はゴミ箱から完全に削除するのかどうか等
また、電子媒体であればPCを処分する場合もハードディスクを専門の業者に依頼し、データを削除することにより情報漏洩を防ぐ必要があります。
文書管理の方法⑤ PDCAサイクルのルール
ルールに則った文書管理を実践した際に生じた問題の振り返りを行い、改善するためのルールを決めます。
問題が発生した場合、問題を振り返り、改善するための新たなルールを作るためのルールを事前に決めておきます。
一連の流れをルール化しておくことにより、文書管理のPDCAを回し、改善することができ、よりよい文書管理のルールを設定することができるようになります。
文書管理の方法⑥ 文書管理の周知
文書管理のルールが完成したら、文書管理ルールを社内メンバーやプロジェクトメンバー等に周知してください。
ルールを設定するだけではなく、文書管理を使う人がルールを理解してはじめて、正しく文書管理が運用されます。
文書管理ルールについては、誰でも簡単にアクセスし、いつでも確認できるように、共有プラットフォームに置いておくなど、保管場所にも工夫してみてください。
文書管理の方法⑦ ルール設定の注意点
文書管理のルールを設定するにあたり注意点を解説します。
①ルールが具体的であること
ルールが具体的ではなく、抽象的であり複数の解釈が可能な場合、ユーザそれぞれが抽象的な理解で運用してしまい、文書管理の品質が揃いません。文書の作成・保管・保存・廃棄・改訂という文書管理の一連の工程の中で具体的にルールを設定する必要があります。
例:
紙媒体の文書管理ルール
ファイリングの仕方、ファイリングされた文書の管理台帳の作成・更新(文書の所在を明記)、文書の廃棄方法等、文書管理を運用するユーザ全員が同じ手順を行えるようにルールを具体的に文書化します。
②ルールが運用可能な範囲であること
ルールが具体的であることは良いですが、細かすぎるルールを設定した場合、運用できないというリスクを招きます。ルールが厳しいと文書管理自体に負荷が増え、仕事にならないとメンバーが判断すると、ルールを設定してもメンバーにルールが浸透しない、または最悪ルールを守らないということも起こる可能性があります。ルールを設定する際に細かく設定しなければならない部分と簡素化する部分を明確にし、作成する必要があります。
まとめ
現在、世界の情勢から働き方も変わり、文書管理の適用範囲を紙媒体で文書管理を行う時代から電子媒体で文書を管理する時代になってきています。
電子媒体の文書管理をイチから行う場合に、ファイルサーバを自社で準備するのか、また、文書管理システムを使うのか、などの選定からフォルダや文書に対してのアクセス権の付与、検索機能等問題が発生します。
上記の問題を解決するために、どの文書管理のシステムを準備するかにより、業務効率やリスク管理が変わってきます。
弊社が提供している文書管理システム【D-QUICK7】には下記の機能があります。
- 検索機能、全文検索
文書の名称やキーワード、文書内の文章をキーにして検索が可能です。 - データベース、フォルダや文書へのアクセス権制御
データベースへのアクセス制限、フォルダ、文書へのアクセス制限や機能の制限が可能です。 - 版管理
編集した際の自動バックアップや版戻しを行うことが可能です。文書の最新版を簡単に管理できます。 - ワークフロー
文書をリリースする際の承認ワークフローをD-QUICK7上で行うことが可能です。 - 一元管理
文書に対し、一元管理を行っています。他のユーザが編集中の場合は読み取り専用として文書を開き、編集に制限をかけることが可能です。 - メールの自動通知
他の利用者が文書の登録、編集、削除を行った場合、自動的にD-QUICK7からメールが送信されます。
仕事を行う以上、決めたルールに基づいて、文書の改訂を管理し、改善を繰り返していかなければいけません。
ファイルサーバを準備し、管理してもいいのですが、文書管理に特化したシステムだとより効率よく作業できます。文書管理の方法に詳しくない場合でもシステムの機能を確認するだけで文書管理ができますので、是非導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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