図面・文書管理システムにおいて、いかに簡単にデーターを登録するかという点と、できるだけ楽に検索するにはどうしたらいいかという点は長年のテーマです。時代の経過とともに色々な視点から新しい技術を取り入れて、現在もあれやこれやと様々な工夫がなされています。図面・文書管理の未来に向かって、さらに進化を遂げていくのは間違いないと考えてよいと思いますが、どのように歩んでいくのでしょうか。図面・文書管理システムの現状と未来について語ってみたいと思います。
図面・文書管理システムへのデーター登録・検索手法
図面・文書管理システムに紙図面を登録する場合、事前に電子データーにする必要があります。
まずは「イメージスキャナー」、「カメラ」などを使って画像にします。そして、ファイル名をつけて画像ファイルとして図面・文書管理システムに登録します。その際、画像に記載されている文字情報や形状などの属性をキーボードから入力します。
なぜなら、あとで取り出すときに楽に正確に取り出せるからです。記載されている文字情報をキーボードから入力するのが大変なので、「OCR」を使って入力を補助する場面もあります。現在の「OCR」は、一昔に比べてAIの技術が取り入れられて文字認識精度が格段に向上してきていますので、キーボードであとから修正する作業量は少なくなってきています。文字の読み取り場所をあらかじめ設定しておくことで、的確なキーワードとして登録できるようになりました。
しかし、キーボードからの入力すべてが無くなっているわけではありません。文書を分類するためのカテゴリや読み取りされない属性情報の入力などは、今でも行われているのが現状です。
音声入力で入力する方法も考えられます。こちらもAI化で変換精度が向上しているとはいえ、変換された結果をキーボードで修正する必要があります。現技術の限界と言え、まだまだ今後の改善が期待されます。
検索においても、キーワードをキーボードで入力するのが一般的です。音声などでキーワードを入力することができるようになってきていますが、いずれも文字での検索を対象にしています。
画像を取り扱う検索手法として、画像を見ながら検索対象を特定するために、画像を「ぱらぱらめくり」したり、小さい「サムネイル」画像をみたりして、目的の図面・文書を特定するようになっているシステムもあります。しかし、それらはひとつひとつ人の目で確認するという地味な手法で、あらかじめ文字検索を使って検索結果を絞り込んでおく必要があります。
まだまだ図面・文書管理システムには「目視確認」や「文字検索」が多いと言えるでしょう。
図面・文書管理システムの未来形、「形状検索」
図面・文書管理システムは、「目視確認」や「文字検索」の呪縛から離れられないのでしょうか。
最近は、AI画像認識という技術が発展してきて、登録された図面や文書の形状(画像)から検索できるようになってきています。
具体的には、「こんな形状」というような似ている図面・文書を投入したり、フリーハンドで形状のイメージを書いたりして検索元として投入します。
そして、図面・文書管理システムに登録されているデーターの中から似ているものを「類似度(スコア)」順で表示できるのです。形状検索ができると何がうれしいかというと、画像イメージであらかじめ絞り込まれるため、その後「ぱらぱらめくり」や「サムネイル」にて、詳細な部分の違いだけを確認すればよいようになる点です。
形状検索は、図面や文書の「イメージ」をとらえるものとして(文字検索ではないアプローチとして)、今後注目されることは間違いないでしょう。弊社の図面・文書管理システム「D-QUICKシリーズ」では、形状検索ができる「類似図面検索」オプションをラインナップしています。
図面・文書管理システムのさらなる未来
図面・文書管理システムで形状検索ができるようになると、システムがカバーする範囲が大きく広がってきます。今後、図面・文書管理システムはまだまだ発展していくと思われます。
たとえば管理コンテンツに目を向けてみると、文字、図形のほかに写真、記事、書籍、動画、グラフィック、アート、音声、音楽など上げるときりがないくらい、様々なものがあります。よって、今後は図面・文書にとらわれることなく管理されるコンテンツがどんどん広がっていくでしょう。
私は、管理範囲が広がっていくコンテンツに対して「時間」や「場所(空間)」、「動作」など5W1Hの要素を加えた更なる管理ができるようになれば、と考えています。理由はシステムに話しかけるだけで、おかれている環境、状況に合わせた答えを返してくれると便利だからです。しかし、まだまだ先の未来の話かもしれません・・。
まとめ
「図面・文書管理の未来 AI画像認識で形状検索ができる世界」と題して、ご紹介してまいりました。図面・文書管理システムは‘枯れたシステム’、つまり歴史のある安定したシステムだといわれて久しいです。しかし、最近のめざましいAI技術の発展により、新たな図面・文書管理システムの未来が想像できるようになってきました。
私は図面・文書管理システムの開発に携わるメンバーです。これからもAI画像認識のような新しい技術、機能が図面・文書管理システムに取り入れられるよう、アイデアの種をたくさんまいて大切に育てていこうと思います。
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