2019年4月に施行された「働き方改革」の中にも盛り込まれているペーパーレス化。皆さんの会社でも何かしらの取り組みをされているのではないでしょうか。環境問題への配慮や、紙にかかるコストや保管場所の問題など様々な観点からペーパーレス化をこれから始める企業は増えています。しかし、紙や電子データの特性を把握しないままペーパーレス化を推し進めると、思ったような成果をあげることが難しくなってきます。今回は、紙資料の良さを理解しながら、ペーパーレス化を実施するときの気になるポイントをご紹介します。
紙資料に比べ不便に感じるところを把握する
ペーパーレス化を実施した際に、紙資料の方が良かったという声があがる場合は必ずあります。準備を始めるにあたり、まずは自社の業務に当てはめて紙運用に比べて不便に感じるところを把握することが必要です。次にペーパーレス化を進める上でシステムや運用で対策できる範囲を考えていきます。
・紙ならではの見やすさ、資料全体を把握しやすい
A4サイズ、A3サイズの資料であればそこまで気にはなりませんが、図面やポスターなど大きなサイズの資料になってくると文字や画像が見づらいことがあります。スマートフォンやタブレット端末から見ようとすると拡大するために一度に読める文字数が少なくなり、全体イメージを確認することも困難です。個人のパソコンの画面になるとどうしても制限がでてきてしまう為、用途に合ったデバイスを選定することが必要です。大型モニターや電子黒板を利用し全体を確認するだけでなく、マルチディスプレイによる見読性の確保も有効な手段です。
・資料の探しやすさ
紙資料の場所は、パイプ式ファイルやリングファイルにまとめてインデックスを付けてキャビネットなどに保管されます。必要な時には、ファイルの背表紙のタイトルやインデックスから直感的に探すことができます。電子データの場合は、ファイル名を変更しフォルダ分けをして共有サーバーへ保存されるケースが多いでしょう。似たようなファイル名が多くなりがちですので、保管されている場所や名前を正確に覚えておかなければならず、結果的に検索時間は長くなることが多いです。
このようなケースの解決策は文書管理システムが得意とするところです。システムが持つ属性検索、全文検索により1度の検索で必要な資料を一括して検索することが可能となります。
・帳票への記入、更新
配布された帳票へ記入を行い、さらに直接メモをしたり重要な箇所にマーカーを付けたりする方法は紙資料の方が手軽に行うことができます。ペーパーレス化といっても、現場で紙帳票に記入した内容を事務所でデータ入力し、電子保存するケースが多いでしょう。近年は、帳票そのものを電子データで配布し、利用者はタブレット端末から直接入力しアップロードできる電帳票システムもリリースされています。最初からシステムを利用することにより一切紙を使わない運用も可能です。
紙運用よりも非効率とならない為に、要因と対処を考える
次はペーパーレス化を進めるうえで、紙運用よりも非効率とならない為に懸念事項を洗い出します。皆さんがよく陥っているペーパーレス化の要因をご紹介します。
・社員のペーパーレス化への理解が低い
ペーパーレス化により、「紙コストが減る」「業務効率化が図れる」と皆さん漠然と理解はしていると思います。しかし、その目的やゴールを明確に共有、理解されていないと「効果が薄い、効果がなかった」となりかねません。現状のコストからどれだけ削減できるか、残業時間がどれだけ圧縮できるか、処理件数がどれだけ上がるかといった効果をデジタルに共有・周知することは理解を深めるうえで重要です。
・ITツールやシステムへの理解度が低い
ペーパーレス化による電子データの運用において、ITツールや管理システムを利用することが多くなります。紙での業務に慣れ親しんだ社員ほど操作が慣れず、かえって作業時間が長くなりペーパーレス化の恩恵を受けられない可能性があります。運用が定着するまでは、作業量にバラつきがでることを考慮し、紙と電子データのハイブリッド運用できる移行スケジュールを立てていくのも1つの方法です。あわせてペーパーレス化の理解を深める講習や、システムの操作教育を行うことにより、移行期間を短くできます。
・業務や運用にあったシステムやデバイスを考える
せっかく社内のペーパーレス化への理解が得られたとしても、運用で使用するシステムやデバイスが業務にあっていないと意味がありません。また複数のシステムを利用する場合は、システム間の情報が共有できることが重要になってきます。例えば「同じ情報を複数のシステムへ入力・更新が必要」となっていると、確認作業が増え社員のモチベーションも下がってきます。
システム選定の際には、自社の業務に合わせたシステム、既存システムの連携を考慮することを心がけると良いでしょう。
ペーパーレス化による運用支援するシステム
ペーパーレス化は、電子化した後の電子データの運用・業務をどう管理していくかによって成功の可否が多く変わります。社員の意識改革も重要ですがあわせてシステムで対策していく必要があります。そこでペーパーレス運用を支援するシステムをご紹介します。
・文書管理システム
電子データの管理に特化したシステムです。社内の電子データを一括して管理することができます。独自の検索機能や履歴管理機能、アクセス・ステータス管理により、セキュアな環境下で社内データを一元管理することができます。
・AI-OCR
ペーパーレス化により社内の紙資料をスキャニングし電子データ化しただけは、ファイル名による検索のみとなります。OCR処理を行うことにより、電子データ内の文字情報を抽出できます。さらに文書管理システムと連携することにより、抽出した情報を属性情報として登録でき、属性検索が可能となります。
・電子帳票システム
過去の紙資料だけでなく、業務で発生する資料についてもペーパーレス化を行う必要があります。電子帳票システムは作業日報や点検記録、検査記録など紙帳票で作業されているものを電子化しタブレット端末から入力できるシステムです。こちらも文書管理システムと連携することにより電子帳票の一元管理や入力内容の同期が可能となります。
まとめ
今回は「紙運用よりも非効率になるの?ペーパーレス化の気になるポイント」と題しまして、ペーパーレス化に取り組む時の注意点についてお話してきました。「ペーパーレス化だ!」という大号令のもと、紙の良さや電子データの特性を把握しないままペーパーレス化を進めてはうまくいきません。ペーパーレス化の成果をあげるために本記事でご説明してきました「気になるポイント」に注意しながら、取り組んでみましょう。
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