ブログペーパーレス化

紙図面を無くしたい! 電子化とデータ化の違いとは?

document management_digitization

紙図面を無くして、場所や時間にとらわれずに図面を確認したいというニーズは非常に多いものです。しかし、ただ紙図面を電子化するだけでは、紙のままの方が使い勝手が良かったという結果になることも多々あります。その理由の一つとして、電子化とデータ化の違いをよく理解していないことが挙げられます。本記事では紙図面の問題点と、電子化とデータ化の違いについて解説します。

紙図面の問題点

最初に、紙図面の問題点について考えてみましょう。紙図面とは、電気・電子機器、機械や土木・建築などの設計図を紙に印刷したものです。紙図面は長年にわたって使われてきましたが、インターネット通信が広く生き渡った現代のデジタル社会では、問題点も多くあります。
以下に紙図面の主な問題点を3つ挙げます。

1.保存や管理が大変

紙図面は通常、ファイルに綴じて書類棚やキャビネットに保存しますが、纏まると大きくて重くなりますし、複数の図面の参照が必要になることもあります。そのため保管場所や分類方法、図面持ち出し時のルールなど、効率的に仕事が回るような運用が必要です。また紙図面は湿気や汚れ、破損などによって劣化する可能性があるだけでなく、紛失や盗難などのリスクもあります。保管場所の定期的な点検や補修も必要となります。

2.情報共有や最新版管理が難しい

紙図面は何かしらの変更が発生した際、一枚一枚手作業で作成や修正を行う必要があります。そのため、設計変更や追加情報などを反映するのに時間や労力がかかります。また、紙図面は複数の関係者に配布する必要がありますが、その際に最新版かどうかの確認や整合性のチェックが必要となります。

3.環境負荷が高い

近年はますます、企業活動の中で環境への配慮が求められるようになってきています。紙図面は木材やインクなどの資源を消費するため、森林伐採や廃棄物などの環境問題と密接に関わっているのです。

以上のように、紙図面は現代のデジタル社会では管理コストがかかり、非効率で環境にも負荷をかけるものとなっています。時代の流れもあり、紙図面を電子化・データ化することは今まさに求められているのです。電子化・データ化すれば、設計業務の効率化や品質向上、環境保護などのメリットを得ることができます。
では続いて、紙図面の電子化・データ化について解説していきます。

お客様の声から、もっと業種別に学んでみよう!
製造業の図面・文書管理 自治体の完成図書管理
D-QUICK導入事例集

紙図面の電子化とは?専門業者に依頼するメリット

紙図面の電子化とは、「紙媒体」を電子媒体として利用できるようにすることです。一般的に紙図面の電子化は、スキャナーなどの機器で紙をデジタルデータ(PDFやTIFFなど)に変換し管理することを指します。紙図面を電子化すると、次のようなメリットがあります。

紙図面を電子化するメリット

  • 保管スペースの削減
    紙図面は大きなサイズのものも多く、保管するためには広いスペースや書庫などが必要です。電子化すれば、サーバや外付けのHDDなどに保存できるため、保管スペースを節約できます。
  • 保管コストの削減
    上述した保管スペースを削減することにより、削減したスペース分の家賃を削減することができます。例えば、縦450mm 横900mmの書庫のスペースを、人が立つスペースも含めて1台当たり0.3坪の専有面積があるとします。仮に坪単価15,000円のオフィスの場合、書庫1台分の年間賃料は、「0.3坪×15,000円×12か月=54,000円」となります。書庫3台分の紙図面を電子化すると、年間162,000円が削減できるのです。
  • 劣化・紛失の防止
    紙図面は、経年劣化や水濡れ、火災などで破損したり、盗難や紛失したりするリスクがあります。図面は会社の大切な資産です。電子化すれば、データのバックアップを取ることで、これらのリスクを低減できます。

紙図面の電子化を行う際、大量の図面を一度に電子化する場合は時間や労力がかかります。そのため自社で電子化を行うよりも、専門業者に電子化を依頼するとメリットが多く、おすすめです。

専門業者は大判や薄い紙など、さまざまな種類の図面に対応した機器や技術を持っており、短期間で高品質な電子化が可能です。また、読み取りにくい図面も画像補正などできれいに電子化できます。社外に持ち出せない図面がある場合も、出張スキャンサービスをしている業者であれば対応できます。

電子化後に不要になった紙図面は、溶解処理などで安全に廃棄する必要がありますが、専門業者はこのような廃棄処理も代行してくれる場合があります。

紙図面のデータ化とは?重要なポイントがあります

紙図面のデータ化とは、デジタルデータとして扱えないアナログなデータを、デジタルに変換することです。

電子化とデータ化との違いですが、紙を電子ファイルへと変換するのが電子化です。一方で、アナログ的に管理されているデータを、電子上で効率的に活用できるデジタルデータへと変換するのがデータ化です。

つまり、データ化とは、ただ紙図面を電子化するだけでなく、適切なファイル名をつけ、運用しやすいフォルダ管理の双方を行うことが重要なポイントとなります。

紙図面をデータ化する一番のメリットは、 検索と共有がしやすくなることです。紙図面は、必要なときにすぐに見つけ出すことが難しい場合があります。また、複数の人が同時に参照したり、取引先と共有したりすることも困難です。データ化すれば、特定のキーワードで検索できるほか、メールなどで簡単に共有できるようになります。

そして図面・文書管理システムを利用すれば、ファイルを版管理したり、ファイルごと・フォルダごとに権限を設定したりできます。また必要な人に必要な操作のみを許可するアクセスコントロールを設定でき、より便利にファイルを管理できるようになります。

まとめ

紙図面の電子化・データ化は、製造業や建築業などで図面を多く扱う業界にとって、非常に有効な手段です。図面を紙のまま管理することは、破損や紛失のリスク、定期的な保管コスト、業務スピードの遅延、環境負荷など、多くの問題があることがお分かりいただけたかと思います。紙図面を電子化・データ化することにより、図面の管理や共有が効率的になり、業務全体の生産性を上げることができます。ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

当サイトでは、「D-QUICKシリーズ」についてわかりやすく説明している資料をご用意しております。安心・安全に図面・文書管理を行うためのポイントが理解できる資料になっています。ぜひ、ダウンロードページより資料をご覧ください。

まだ情報収集レベルで、学びを優先されたい方
「図面・文書管理で困ったときのハンドブック」~製造業・完成図書・テレワーク・クラウド、すべての解決策をお見せします~

システムやクラウドサービス等の具体的な解決策を探している方
図面・文書管理システム「D-QUICKシリーズ」基本ガイドブック

より詳しい事例を知りたい方
「製造業の図面・文書管理 自治体の完成図書管理 D-QUICK導入事例集」

「ペーパーレス化」の関連ブログ