社内の資料や情報を適切に管理するために、文書管理システムを導入する企業が増えてきております。しかしシステム導入後に運用がうまくいかないといったお声を多くお聞きします。そこで今回は、文書管理システムを導入する際に絶対におさえておくべきポイントを説明していきます。
文書管理システムはなぜ必要?
企業における文書の管理は紙管理が基本でした。昨今ではIT技術の発展によりデータで資料を作成・保存し管理するようになってきました。しかし、まだまだ紙での業務も残っておりキャビネットでの紙文書の管理と、ファイルサーバーでの電子文書の管理が共存している企業も多いのではないでしょうか。企業の取り扱う情報量は日々増えており、それに伴い文書量も増加傾向にあります。文書量が増えてくると色々な課題がでてきます。例えば、文書を整理・カテゴリー分けする為にフォルダ以外で管理できないか?似たようなファイル名が多く検索が大変、最新版や変更履歴が分からない、といった業務効率化に関する課題や、データの持ち出し・情報漏えい、不正アクセスなどセキュリティ面のリスクなどがあげられます。それらの課題を解決するために検討されているのが文書管理システムです。
文書管理システムは社内の文書をまとめて管理するシステムです。よくファイルサーバーと混同されますが、ただ文書を保存するのではなく作成→利用→保管・保存→廃棄のライフサイクルを実現するための機能を備えてます。
文書管理システム おさえるポイント① 管理対象ドキュメントを整理する重要性
文書管理システムを検討する際に、「せっかく新たなシステムを導入するのであれば、キャビネット内の紙資料も全て電子化して入れてしまおう」「既存のファイルサーバーや個人PC内のデータは全て移行すればいい」と思っていませんか?確かに文書管理システムは検索性に優れており文書が見つけやすいですが、予め管理対象ドキュメントを整理しておくことをおすすめします。理由としては容量の問題です。文書管理システムを社内に構築する、もしくはクラウド上のサービスを利用する場合でも保存するデータ容量を把握しておかなければ、いざというときに追加コストが発生することになりかねません。バックアップ容量も考慮した上で必要なデータのみを保管していきましょう。
そこで重要になってくるのが文書の棚卸しです。業務を遂行していくうえで必要な文書を判断し整理・把握をしていきます。必要性を判断するために3つのポイントを指標にして判断します。
対象ドキュメントの重要度
日々の業務に関係がある文書かどうかを分けていきます。既に撤退した事業の文書や開発中止となった製品の文書は含めず現在の業務に関係があるものとして判断します。
利用頻度・検索頻度
利用頻度・検索頻度の観点から仕分けを行います。1年以内~2年以内に利用または検索したかといった基準を設け対象文書を絞り込みます。いつかは必要になるだろうという思いから管理対象が増えていくことが多いですが、導入時に実行するとなると時間もコストもあがっていきます。まずは直近の利用頻度・検索頻度の文書のみとしたほうが効率的です。
対象ドキュメントの数量・容量・形式の把握
ファイルーバー内・個人PC内の電子データだけでなく、社内の紙文書も考慮します。紙文書の場合は、スキャン後の形式やリネームなど電子化の要件もあわせて確認しましょう。
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文書管理システム おさえるポイント② 必要な機能を洗い出す
今では様々な文書管理システムがリリースされてますがメーカー毎に実装している機能は多種多様です。ファイルサーバーにはない機能も多いですが、ユーザー側の業務に合っておらず、操作性が低ければ使いこなすのに時間がかかれば導入後に効果が上がらないといったことになりかねません。業務効率化にはどのような機能が必要か整理しましょう。ここでは、文書管理システムを導入する際に、検討されている項目とその必要性を解説します。
属性情報の付与
図面管理や文書管理における属性情報とは文書がもつ付属情報を指します。例えば、図面データであれば、ファイル名の他に「図面番号」や「部品番号」「製品番号」「顧客名」などといった管理に必要な情報です。文書管理システムは電子文書に対し属性情報を紐づけて登録することができます。情報を管理する上で非常に有効な手段です。
検索機能
業務を行う上で関連資料を検索することは多いですが、思った以上に検索にかかる時間を費やしていませんか?ファイルサーバーではファイル名での検索やフォルダ検索など限られた検索しか行うことができず非効率です。文書管理システムであれば属性情報による検索や全文検索、それらを組み合わせた絞込み、条件指定検索など多彩な検索方法を搭載しており検索にかかる時間を飛躍的に短縮することができます。
履歴管理・バージョン管理
ファイルサーバーでは新規で作成した文書を更新・変更する際に、ファイル名を変更して保存していると思いますが、ファイル数が増えるにつれ、「最新版はどれか」「正となるファイルが分からない」といった状態が起きやすくなります。文書管理システムであれば、バージョン情報を持たせファイルを紐づけて管理することが可能です。常に最新版のみを表示させ必要に応じて過去版を確認呼び出すことができます。
セキュリティ
文書管理システム内で管理されている文書は、利用者に対し「閲覧」「編集」「削除」「ダウンロード」といったアクセス権限を付与することができます。例えば、営業部には「閲覧」「印刷」のみ許可を行いデータの「編集」や「削除」「ダウンロード」を禁止といった使い方が可能です。また利用者が文書にアクセスした記録が全て残っていますので不正利用を抑制します。
まとめ
文書管理システムを導入する際におさえておくべきポイントは以下の通りです。
1) 管理対象ドキュメントを整理するには文書の棚卸しが必要
○対象ドキュメントの重要度・・・・日々の業務に必要な文書かどうか
○利用頻度・検索頻度・・・・・・・日々の業務での利用頻度は高いか
○数量・容量・形式の把握・・・・・電子データ・紙も含めてのボリュームを確認
2) 必要機能の選定
○属性情報管理・・・・・・・・・・文書と属性情報を紐づけて管理
○検索機能・・・・・・・・・・・・属性検索・全文検索・絞込み検索
○履歴管理・バージョン管理・・・・文書の変更・編集履歴が分かる
○セキュリティ・・・・・・・・・・アクセス権管理・ログ管理
文書管理システムは、上手く活用できれば業務効率化に貢献できるシステムです。「属性情報の管理」「文書をすぐに探し出せない」「履歴の管理ができていない」「文書の持ち出し・漏えいが心配」など、現在の管理に課題を感じている方は是非一度文書管理システムを検討してみてはいかがでしょうか。
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